ぐ戒

マダムに依頼を受けて巻物に歌詞を書くことになったんだけどおれが落書きなどをしてインスピレーションを得ようとしているときに同じ依頼を受けて横にいた男女コンビは下書きもなしに筆でサラサラと書いて終わらせて次の依頼に向かっていたのでおれだけ置き去りにされた形になり焦ってしまったしこじつけのような歌詞をやっとの思いで書きつけて次に進むと今度は英語の対話を完成させろという指示が出ておりこれは男女コンビも苦手らしく足踏み状態だったので形勢逆転できると英語の教本を開いてみたら五色の正誤表がハラリと落ちてきてこれを参照しながら解くのは面倒だなと思いつつも男女コンビより早めに終わらせてよし次の依頼だとなった辺りでイヤイヤなんでこんなにマダムの無意味な依頼を受け続けなきゃいけないのと正気に戻ったあたりでマダムがでかい体を揺らしながら戻ってきてひとまず歌詞を確認し始めたので緊張しつつ様子を窺っているとやや満足して帰っていったのだが実は魔力によりおれたちはすでに軟禁状態にあるらしく男女コンビの女が男にあなたが精霊王の息子だと言えばあのマダムも慌てて魔法を解除するはずよと提案する様子を見る夢を見た。あと、こんな住宅街に眼科があるのかと思って出向いてみたら自称視力35.0のババアが視力検査をやっている声が二階の個室から聞こえてきたけどまずボケてて正しくない発言をするものだから視力が正しいかどうかも分からない状態であるらしいという夢を見た。視力はアラビア数字で書くしかないから混ぜて使うしかないやつだな。あと、家族の部屋にビー玉を置くと転がっていったので家が傾いているんだよと説明したら家族は別に気にしてないしと言っていたししょうがなく部屋に付いてる自動ドアを開けて出ていきじぶんの部屋に向かったんだけどそこは和室でしかも入り口から床に下方向のかなり深い段差があり薄暗い上に古臭くて何も快適ではないのでどうしてこんな落差があるんだとガックリくる夢を見た。
昨日からこの日の天気予報は悪かったわけだが、やっぱずっと能登半島に雨雲が張り付いてる状態だった、雨雲は死ね。世間はまだマフィンで腹壊したニュースやってんだな。作ったマフィンの管理が悪かったぐらいの話でマフィンのリコール自体もそれなりにやってて行政処分も見送りになって保健所のひとから見ても作ったひとは反省しているようだったと言われているのにそれでもまだマフィンのひとを人殺しみたいに叩いてるやつ、絶対コオロギ食のときに騒いでたでしょ。ああいうひとたち、多分「振り上げた正義の拳が下ろせない」のと「それなりの悪さが理解できない」のがあるんだと思ってる。話を戻して、天気は今後も悪いらしい。寒波に入る前も結局大雨で出かけられず、そのまま雪が積もるレベルの寒波に突入っていうのはちょっとねえ。あと、森銑三の本を読んでいたら、これ勝海舟の親父の自伝の翻案だなと気付いた。その割には股間の話はきれいに取り去られていたので幻滅した、きれいな部分だけ集めるなよ。昔の人物の道徳的に素晴らしい部分だけ切り抜かれて素晴らしい人物みたいにされるとつまらないからおれには森銑三は合わないかもしれないな、捨てるか。悪くはないけど逸話をクリーニングされてる気がする。人間はいいところも悪いところもあるのにいいところだけ寄せ集めて見せられると不快に感じてしまう、そしてその抑圧がおれをゴシップ閲覧に向かわせる。それにしてもおれは相当に物覚えの悪い人間なんだけど、森銑三の文章の中の「戸棚から銭三百文を盗んだ」という描写から、これって前読んだ勝海舟の親父の話じゃんと気付けるのは何なんだろう、言語化できてない部分での記憶力があるってことかな、ストリートビューも変なところ覚えてたりするし。