ぐ戒

外からやってきた変な客が絡んできて俺様の曲を聞けとか近所迷惑なことを言ってきたのでぶんなぐってしまったし入り口を囲むガラスの塀からライブのポスターも引き抜いてしまった上で暴力を振るったことは事実なので迷惑だろうから帰ると店主のおばさんに伝えたところ強力に引き留められたし仕方なく応じて店に戻ったんだけど啖呵を切ったので店の客に対して大変気まずい感じになったしともあれ変態を追い払って店を助けてくれたお礼にと十キロの鏡餅をプレゼントされたしふかふかでおいしそうだからすごくありがたいと感謝したもののこれを抱えてあちこち行けるわけがないし本当は帰りに古書店に寄ろうと思っていたけど一旦諦めて帰宅することになりフラフラと自転車をこいで帰ってみたら玄関先でアイドルの若い男が待っていて何の用ですかと質問したらぼくの実家がやっている店で配達したかったんだと言ってきたしうちに別の業者が入っているところを見て泣き崩れてしまったので仕方ないねと肩を叩いて慰めて時計を見ると十六時半だったし今から古書店に店舗回るのはかなり厳しいぞと思いつつ街に繰り出したらなぜか道に迷ってしまったし今どこにいるのかも分からなくなったので地図サービスで調べようと思ったんだけど端末を操作できるほど落ち着ける場所というものもなくウロウロしていたらレストラン前の駐車場にいる乳牛が交尾をしているその真横で野生のバッファローが激しい争いを繰り広げていて危ないぶつかるとヒヤヒヤしたんだけどレストランの客はむしろもっとやれと煽っているしついに衝突してしまったんだけど案外二組ともケロッとしていたので安心はしたがしかし検索できる場所が見つからずその横辺りにあるエラーが出ていると物理的に書いてある喫茶店は面白スポットでひとが絶えず訪れる場所ではあるが今は閉店していて誰もいないのでそこの前でササッと現在地を調べて一店舗目を軽く見て二店舗目に向かったら既に午後五時を過ぎていてもう間に合わなかったし知らないふりして入るのもなんか違うなと思ったので時間を潰すべく携帯を見ていたらそれがガラケーで古いとバカにしてきた双子は元アナウンサーのヤンママのガキだったし親に似てメチャクチャ生意気だったがパステルカラーのランドセルに将来の夢を差し込んでいたし意外と普通のガキじゃんと思っていたらあなたは夢に破れたのねキャハハハと笑われる夢を見た。長い夢だったのでよく覚えているし、最後のシーンはかなり場所がズレていた。
起きたら晴れている。晴れているならととりあえず久しぶりに家中の窓を開けたが、風が強くて寒かったしなんかリビングに置いてあった誰かの何かが吹き飛ばされもしたので、しょうがなく十五分ぐらいで占めることにした。しかし出かけられることは間違いないし、昨日の出かける準備が残ってるからモタモタする必要もない。安心してインターネットニュースを浅れるってもんだぜ、と思って見ていたら、早速とあるニュースに、ブラジル出身の新型コロナウイルス選手が通常より三倍も感染力が強いとかまるで通販番組のようなことが書かれている。二倍だ三倍だと言われたところでインフレ気味だから何も感じないし、それに感染力が強いということは分かっていてもそもそも通常のウイルスの感染スピードが視覚的に理解できてないので、底を持ってきて数字を出されてもあんまり深刻な顔ができない。とにかくよく分からなかったのでほかのニュースを見ていたら、神戸では少年がパンチングマシーンを蹴って壊していた。神戸新聞はマジで記述が素晴らしいな、我が県のニュースもこうあってほしいものだ。商業施設のピアノ壊したガキが捕まったときもろくに報道しなかったし、結局どうなったも定かではない。
さっきも書いた通り昨日の段階で既にしてあった出かける準備を使って街の方に向かった。新竪では英語の使い方みたいな英語の本があったので買った、なんか上の方にダメージがなんたらってハンコが押してあったけど中は普通の古書って感じでほんのちょっとだけ千切れがあるほかは結構無事だった。古本市は変化があって楽しかったけど買うべきものはなかった。最後にガレージへ言ってみたら、いつもは目に入らないところに割ときれいなコールリッジの対訳詩集があったのでこれも購入した。この本もちょっと千切れていたけど気にならないレベルだった。夕飯を食いながらテレビでニュースを見ていたが、石川県ではなんか接待を伴う飲食店クラスターがバンバン出ているらしい。二月の頭ぐらいになんかあったっけ? まあ飲食業界に自浄作用がないなら外食屋が規制されて潰れても自業自得ですねとしか思わない、おれはベーシックインカム支持派なのでそういう店が継続する理由に雇用を守るとかいうものがあるのが本当に許せない。しかし県も県で、警報を出すにしても「飲食・若者 感染拡大特別警報」はないだろ。飲食・若者て。
それでは少年ガンガンの感想を書きます。三作品休載。梅はともかく、ほかは予告休載だっけ? あと一年以上ぶりにクリアしおりがついた。クリアファイルよりは使い勝手が良いのだが、なぜかずっとクリアファイルなんだよな。今月号はさらにオッサンの猫シールまでついているためか、うっすら値上げされている。なんでだよ。シールとしおりぐらいで値上げすんなや。『双翼の武装使い』、新連載。いわゆる無双系ではあるが、登場人物のふたりがそれぞれ無双系という形で、お互いに驚き合っているのがポイントか。こういうときに必要な、「世間的には強いが主人公たちから見れば無能」という傍観者も出てきて、うまく最初の戦いを盛り上げている。『戦×恋』、寝返りの続き。手を奪われている主人公がどうなるのかということもあるが、寝返った側の優しい回想とその否定がメインテーマ。無情な裏切りという感じでかっこいい。『ワンルーム、日当たり普通、天使付き。』、ヒロインたちが公園に集合という形。唯一一般人のサブヒロインが脳内ツッコミで場を回してて面白い。まあでも最初から下の名前呼んでると強いよな。雪女はパンツがゆるい。『魔女の下僕と魔王のツノ』、じぶんを男に変えた犯人を知りたいかと言われて拒絶、からの闘志を燃やす感じ。でも占い師が本丸のボスだとしたらどうなるんだろうな、うまい展開だ。『裏世界ピクニック』、沖縄? 編の終わり。気持ち悪いものは気持ち悪く書いてればそれなりという感じもするが、錯視を使っていたのがうまかった、でも人間がいるからかグルグルしているようには見えなかったな。あのビールよく飲めるな。『女子高生はおはようって言う』、反省会みたいなノリ。いちいち想像し過ぎで面白いが、テニスボールと呼ばれた野郎が飛び道具みたいな声のかけかたしてて笑った。進化した女子小学生ですかって声かけるのもヤバいし、無視せずにロリコン呼ばわりしてくる女子高生も大概でウケる。背景はもうちょっと欲しいな。『18エイティーン』、ウザい親父の就職活動。といっても町の中でやるので主人公の行動範囲になってしまう。父親が目の前で恥ずかしい行動を取っているのにちゃんとした怒りが出てくるのすごいな。むちゃくちゃやったのに最後に金を受け取らずにかっこつける父親に心底ムカついているようで笑った。『とある魔術の禁書目録』、流れではあるが割と主人公側の復帰が早い、集団戦。このひとらの十八番ではあるし、最後の怪力も読めてる感じではあるが、最初の情報をどのように活かすかって話なのかな。『無能なナナ』、大部分がおばあちゃんとの回想。対比を作るためだろうけど極めて優しい思い出になっている。主人公はピンチなのだが短めに処理されている。『たとえばラストダンジョンの(略)』、悪い顔の善人のノリむちゃくちゃ面白いな、いちいち周りが最悪の妄想してるのも込みでいい、主人公側よりキャラが強い。なんだったら店員もクソビビってるので芸が細かくて爆笑した。最後のもきっと善人ムーブだ。『英雄教室』、魔王が魔界に里帰りするのでみんなでついていく。鳥めちゃくちゃ便利やな。あんだけ気合入れて描いた悪いドラゴンが次のページでおいしいお肉になってるのウケる。『戦隊レッド 異世界冒険者になる』、どうもヒロインが主人公に人工呼吸したっぽいな。ともかく裏切りがあったんだけど、主人公が底抜けポジティブなので全然気にしてない。変身してみたかったんだろ? ていうのはいい落としどころだな。そうか、敵が巨大化するのも特撮から言えばお約束だもんな。そこもキッチリしてて笑った。『乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!?』、急な音楽イベント発生だが、最後でちゃんと目的を果たしてて偉い。この世界がゲームだからという下敷きがあるので、不自然な登場でゲラゲラ笑えた。極め付きはテルミン、まんがで初めてテルミンを見たかもしれん、これはすごい。『不徳のギルド』、のっけから魔物に犯されているが、それはそれとしてカウンターが効かない相手とどう戦うか。結局またも襲われて習得するんだけど、そのとき犯されてた別のキャラが雲の数をかぞえるとかエロ本そのものみたいなこと言ってて爆笑してしまった。『元魔王軍幹部、娘つき 第二の人生は現代で』、作者も言ってる通り区切りだし、夫婦喧嘩はハッピーエンドって感じか。魔法が解けてないのはウケる。ただ店の前に人間が捨ててあったら普通は怖いよな。『金装のヴェルメイユ』、主人公は覚醒したっぽいけど地道な努力が必要という流れ。サブヒロインの前でイチャイチャしてるのがウケるな。しかし特訓シーン、役得感があって全然ツラそうじゃないな。『スライム転生。(略)』、ついに決着、なんだけど、次号最終回?! 娘の数が足りないし、悪魔も絶対まだいて、原作もあるのに打ち切りってことあるか? と思ったけど、オンラインでもそんなことあったな。とにかくズバッと途中で終わる。『エルフと狩猟士のアイテム工房』、こっちは最終回。相手役の男がじぶんの中の呪いのアイテムとどう決着をつけるかって話なんだけど、エルフと人間の寿命の差という、前回から引きずっている話でもあるな。ネタバレはしないがいい最終回。『ながされて藍蘭島』、主人公側はバトルをしているのだが、どうも精神世界に行った人間の肉体は先に帰ってきたらしい。でもその精神世界でやってることは入浴とか食事なので、まあ確かに神様への奉仕っぽいけど、主人公たちが必死こいてる最中だからなんだかズルくて笑える。『竜の少女とおいしい人間』、旅とごはんと終末世界の作者の再度の読み切り。今回は廃墟じゃなくて宇宙だ。宇宙怪獣みたいな感じかな、戦闘シーンが豪快で倫理を裏切るような流れ。人間を食べるというのが血液でも代用できるなら、吸血鬼とイメージが交差するかもな。マスコットキャラみたいなの死んだと思ったのに生きてた。以上です。