ぐ戒

さて、不安を煽りたいわけではないので昨晩のやつは無事だったとまず書いておかねばならない。早めに寝たせいもあってか午前十時半に目が覚めたんだけど、それでも耳がおかしかったからすっかり弱気になってしまい、家族に告げてそのまま午前中のうちに耳鼻科に行くことに。当然不安だから急いだということもあるが、そもそも明日は祝日であるため、今日がダメだと二日待つことになる、それはもっと耐えられないから速やかに行動に移ったのだった。それで耳鼻科に行ってみると患者がいない。正確に言うと耳鼻咽喉科で、喉をやられてるひとがいたらマズいかなと、念のためにマスクをして向かい、さらに待ち時間が長い場合気が狂ってしまいそうだったので念のための念のためにスマホまで持っていったのだが、待っている人間がひとりもいなかったので即名前を呼ばれた。それで耳の中をブシャーと洗われ、鼓膜を見てもらい、聴力検査や鼓膜の検査などを受けたのだが、まったく問題ないとのことだった。いやでもまだ耳がおかしいのですがと言ったらビタミン剤を出されたけど、それ以上のことは何もなかった。前回と同じだが、まあこれでいいのかもしれない。基本的なスペックはどこも欠損してないと知ることができたのでラッキーだった。ただ耳を洗われたからか、しばらくの間その耳がキンキンしていたけど、それもなんだかんだで治った。
そんなわけで夢は全部忘れちゃったね。帰宅してからもちょっと寝たのだがさすがに寝付けなかったし。ただ耳鼻科に大丈夫って言われたのでかなり気分が良くなったため、その後は通常の日常を過ごすことができた。インターネットのニュースも読むことができた。タイのニュースサイトがサスペンド状態から回復してて笑ったよね。ところで芸人が性風俗の女を見下した発言をしたことで炎上するという騒ぎが起こっていた。で、それを受けて女性活躍担当大臣が「「政府として女性が貧困によって望まない仕事に従事することのないようにしたい」と発言していたので嬉しくなった、だってそれって男とか女関係なくやってくれるってことだもんね。女に限定してすら、「貧困によって望まない仕事に従事」しているひとは性風俗産業以外にもたくさんいるわけで、それを加味するなら当然、男も含めなければならない。つまり男女にかかわらず「貧困によって望まない仕事に従事」しているひとってたくさん、それほど数え切れないほどいるってわけ、それを政府がどうにかしてくれるってことだよね? マジ? そんなのベーシックインカムしかなくない?? 嬉しいじゃん。これは強く強く記憶に残しておくからな。絶対やれよ。
それから通常の日常に戻ったので、お出かけもした。古書の無人販売所に立ち寄ったんだけど、こないだ見たときより明らかに本が増えていたので、入念に漁って三冊も購入した。古書は人生の潤いだね。そして実際に潤っている犀川で一個石を捨てて、二個石を拾った。
セフレこと世界ふれあい街歩きはフランスのパリ・バティニョール。この番組は今年2月に撮影されたものですという相変わらずのメッセージからスタート。サンラザール駅からクリシェ?広場に出ると、抜けるような青空だ、これが平和だった頃のパリか。芸術家が云々というセリフを連呼しながら大通りを抜け、静かな通りへ出る、まっすぐアーティストのアトリエに来たみたいだ。レントゲンアーティストは芸術界のパパラッチだよというジョークを飛ばすぐらい人気ではあるらしい共同アトリエの紹介を見る。中庭では、この共同住宅セザンヌが住んでいたと聞く。そんなこんなで今しがたアーティストに会ってきたばっかりなのに、壁画と見るや現代アートかなと雑な感想を漏らすナレーションはちょっとダルいな。で別の通りに向かうとチーズの搬入をやっている、これらチーズは熟成させないと売り物にならないらしく、霧吹きでブランデーをかけている、なかなかおしゃれだな。でチーズ食べたいなあ、から場面が変わったので、おっグルメコーナーかと思ったら歴史コーナーだった、パリといえば不潔な街とのこと。それから街の発展を描いて歴史コーナーは終わった。公園ではベンチで絵を描くひとたちがいたが、完全に密集というか密着している。印象派のひとたちは自然光のもとで描いていたから我々もねみたいな感じだった。次は椅子を修理する工房、口の中からどんどん釘が出てくる、これは舌下に入れてるらしいが、まあ日本の大工さんも同じことやってるよね。グルメコーナーは食レポブログの夫婦、このひとたちは今どうしてるのかな……。みなさんもぜひ、食べに来てね! って、それができる状況じゃないだろ。一方街歩きの方はボードゲームをやってる店に立ち寄る、ここのコーヒーは一杯五十円らしい。なぜかというと福祉施設で、だから店員はボランティアだし、老人ばかりが集まってくる。ここも三密だが、その状態で向かい合って歌い始めたのでかなり危険だ、今はできないことだらけだな。街角では電動リフトで引っ越しをやっている。さらに別の店に向かうと結婚指輪を作るカップルがいる、ここはアクセサリー屋で、まあオリジナルなものを作りたいというよくある欲求を披露していた。寄り道コーナーはエヴェックモン、きのこの村。最初の風景が確かに村っぽいなと思ったけどすぐさま普通の街になった、チョコ屋のひとはアロハシャツみたいなのを着ていた。で暗いトンネルにひとがいて、その暗い中できのこを栽培している。ここは採石場であり、温度と湿度が一定できのこの栽培に適しているらしい。でそこは即売所も兼ねているんだけど、その栽培している人間がきのこについた砂を手で落としてから食っていたので、かなり汚いなと思った。街歩きに戻ってまたアトリエ、ここには猫が一匹、それにおばさんの群れがいる。おばさんの方はいずれも木を彫刻していた。ワインを飲みつつ死ぬまで現役と言っていたのである程度は豪快だなと思った。最後は夜の鉄道を映して、それで終わりだった。まあ、普通だな……。