ぐ戒

午前十時半の起き抜けには、筆記用具持ってるかと言われたので二百円のボールペンを貸したら高いねえ随分高いものを貸すねえと文具屋のババアに言われる夢を見た。余計なお世話じゃん、ウケる。正午の起き抜けには、紫のピンクのカラーリングのカフェでイヤホンを使いズギャギャと激しいV系の音楽を聴いていたら隣の女が何か言っていたのでイヤホンを外して聞き直すと編集したい気分とか言ってたのでじゃあ帰るかとなったんだけど編集って相手がいないとできないししたい気持ちって生まれるものなのかと質問したら女が外にいるブラスバンドの学生たちを指差したし確かにああいうものも個人ではできないなと納得してそのまま自転車置き場に向かったんだけどなんか自転車がなくなってたし一瞬焦って周囲を探したら物陰になっているところにあったし誰が移動したのかも分からないが泥だらけの自転車の真横に密着状態で置かれていたので不快になりつつチェーンロックを開けていたら編集の話が聞けて良かったしこうやって偶然を装って次から何でも聞けばいいかとか考えているところへ警官がやってきてここが昭和の世界だからかチェーンロックのことをメカと呼び不審物扱いし始めたので女が鍵ですよと説明するハメになってたしアーこれはおれのところにも来るなと思っていたら服の襟カラーみたいなものを頭にかぶっていたせいか新米刑事と勘違いされて何事もなく自転車置き場を出ることができたので家族から借りててよかったと思ってたらチワワを轢きそうになる夢を見た。最後のでアーッてなって目が覚めたのかもしれないがそのへんだけは詳しく覚えてない。
ちなみに午前十時半に起きたのは姉がすごい足音を立てながら階段を上り下りしていたからだな。そういうわけで目を覚ましてすぐインターネットの揉め事を見ていた。あのーあれだな、ファンやめます問題だ。いわゆる右派の著名人にも左派の著名人にも「ファンやめます」とか「作品買うのやめます」って言ってるひとが複数いることが確認できるので、これはある政治的思想を持つ者に特有の行動ではなく、単純なバカの行動と分かる。つまり政治的思想を根拠にして言及すると身内にもバカがいて大変なことになるって話だ。だから著名人が何かを起こしたときにファン辞めるとか作品買うのやめるとか捨てるとか言ってるひとは全員ピュアなバカです。こういうの、まあこれは悪い意味じゃないので名前を出すが、ピエール瀧あたりでもう作品と作者を結びつけるムーブメント完全に死んだと思ったのに、ちょっと時間が経過したぐらいでいろんな著名人ののファンやめますみたいな人間が出てくる、そういう人間はそもそも何らかの作品を真剣に摂取するということができないのでは? あとまったく興味がない映画の話なのでいつもはスルーするところなんだが、キャッツとかいう作品においてはその知識がゼロであるにもかかわらず肛門というワードだけが何回も飛び込んでくるのでちょっと面白かった。よく分からないけど肛門残してネコ消せばいいじゃん。で楽しくインターネットをやっていたら家族が部屋に入ってくる。なんか家族がガラケーからスマホに変えたんで教えてくれという。それで嫌々ながら少し教えていたんだけど、「タップって何?」って言われたので質問タイムを打ち切ったよね。あいつ一応はパソコン持ってるんだから多少なりともインターネットで調べろといつも言ってるんだけど、調べるよりひとに聞いた方が早いという考えの持ち主なので一切調べない。どうしたらいいんだ。スマホのロックをどうやって解除したらいいのかも分からないって言うので、暗証番号を入れるんだよと教えたら、言われた通りにしたのに解除されないとか抗議してくる、で目の前でもう一度解除させてみたら、暗証番号を入れて決定ボタンを押さずにじっと待っていた、っていうのもすごい、完全なる老人だと思う。
今日は本を捨てるつもりだったのでまず厳選した本をマジックペンで汚した。それからブックオフへ向かい、予定通り本を九冊捨てて、ついでなので店内を見て回っていたが、 特に買うべきものはなかった、リサイクルショップも特に欲しいものはない、いやバンコクデザインのスタバカップはちょっと欲しかったけど、スタバというブランドがあるため普通に高かった。それで帰りにやまやでコロンビアシングル豆5百グラム購入した。なんか帰ったら印鑑文化滅びろやみたいな話題が盛り上がっていたけど、おれは印鑑押すだけで一か月分の労働が全終了するなら印鑑文化が残っても良いと考えているんだよね。それにしても「うちで過ごそう」って言葉、永久(とわ)に忘れんなよという気持ちがある、前金で支払ってもらうからな。