ぐ戒

街を歩いていたら面白い看板があったので撮影したいんだけどそこは海産物屋で営業しているっぽいしタラコみたいなものであることしか分からないうえその看板の前には営業用のバンが停まっていたのでこりゃ無理だなと中心街に戻ってショッピングモールの取材を続けていたら最近この辺りではサンドイッチが流行しているらしく種類も豊富である上形態も立ち食いスタイルなどたくさんあってオシャレだがやはりインパクトに欠けるため最終的にタラコの看板の前に戻る決定をしたらスタッフは全員エーッ絶対サンドイッチの方がおいしいし見栄えもすると文句を言ってきたのでおれもそう思うが一番必要なのはインパクトだからとそこへ向かうと既に市場は終了しておりバンもなくなっていたのでこれはいいとパシャパシャ撮影していたら当然タラコを売っているオッサンに怪しまれたのでついでに食材も取材することになったのだが試食として渡されたのが包丁の先に乗るぐらいのわずかな量だったため海の味がするだろうと言われたが全然分からず適当にはいそうですね確かにそうですなどと返事してトボトボ帰っていたら儚さを感じてしまったためその足で寺に向かったが割と近代的な商業ビルっぽい寺の五階に侵入して話を聞こうとしたところすべての戸が向こう側からスーッと閉まったためやんわりと拒絶されているのかと思ったら背後に坊主がひとりいたしギョッとしつつあなたは何者ですか家族はどんなひとたちですかと質問したらそれでいいのですそれらをすべて疑いなさいすぐに答えが出るような者が寺に来るべきですと言いくるめられてそのまま帰されしょうがないから外にいた中国人のたくましさや会釈してくる黒人の女を見ながらそれらすべてを疑ってみたけどそういえばさっきの坊主おれの帽子見てめちゃくちゃ笑いこらえてたじゃんと屋外のバスケのコートの真ん中で気付く夢を見た。この夢めちゃくちゃよく覚えているんだけどすべての生活を捨てて出家しようとしているところなんかが若干切ないのであまり楽しい夢ではなかったな。
起きてみてなんか寒いなと思ったら気温的にも寒かったし、突然明日の予報が雨に変更されていたので憤慨した、天気予報はアホではなかろうか。月曜日当たり石拾うのにちょうどいいんじゃないかと思っていたのに雨が降るとかショック過ぎるんだが。九月以降天気が安定しなくて一切石拾えてなかったんだよね、それで少し石への興味が薄れたりもして、それは良くない、石みたいな、いくらきれいに洗浄して消毒までして持ち込んでいるとはいえほかの人間が見たら汚い塊でしかないものを家の中に置いているのだからすぐ飽きるとかは全方位に失礼だしそもそもおれが納得できない、などと考えてジロジロ見たりする時期を挟みながらも、やはり全然拾えてない。そもそも八月の川沿いは叫びながら上半身裸で飛び込む高校生男子みたいなアホが多いので拾えないし、九月はさっき言った通り、そして十月も引き続き天気が安定しない、むしろ悪くなっている。冬なんかは雪が積もって一か月単位で拾えないなんてことがありそうだしそもそもサンダルで入れるほど暖かいわけじゃないので実質無理な気がする、とすればやはり今年は秋が最後のチャンスではと思えるし、何としても行きたいのだが、そんなおれに対して明日の天気は急に雨になりましたとかどういう神経してんだよ気象庁は。
まあ天気予報とかもそうだが、そもそも都民が台風の被害を被ったからニュースが都会の天気の話ばっかりなんだよね。いや台風のニュースやるなとは思わんけど、トピックスが全部台風で埋まるとさすがにほかのことも教えてくれやとなってしまう。トピックスってあのニュースのポータルサイトの横にあるやつな。さすがにトピックスが全部台風で埋まったのはあんまり見たことないし、関西と関東どっちの台風が被害が上とかは思わないけど報道の上では明らかに関東の方が重くやってもらえるなという実感はあるが、とにかくほかのニュースがない、というわけでもないが捕まえにくく数も少ない。なぜなら地元のニュースも結局ああいう台風や大雨を受けて地元のハザードマップはどうかみたいな話になってるから。そんな中、北陸新幹線水没ニュースはすごく良かったですね。新幹線を使う予定がある家族は半狂乱になってましたが。そんな中、タグクラウドっていうんですか、ニュースの単語だけふわふわ集めた区域があって、そこを見ているとタピオカで問題を起こした芸人の嫁の名前が出ていたので、台風で東京がめちゃくちゃになってもタピオカのことは忘れへんでと言う強い意志を感じた。あと台風関連で、何だったかなもともと緊急のときは貯水池として働くようにできてるところなのに「水没しました!!」みたいな騒ぎ方してた朝日新聞のその誤報っぷりが突っ込まれていたけど、それについての謝罪があった。それは誠実だなーとか思ってたら、取材した人間は理解してたんだが内勤のものがやっちゃいましたとある。これ変な意見にあるように名前出せとか辞めろとかは全然思わないんだけど、「こっちは理解してました、内勤のせいです」って言う必要あるのか? いやそう言うのはいいけど、それだと政府が同じ言い訳したときに上の責任を追及だなんだっていうことが言えなくなると思うんだよね。これかなり長い間使える材料だと思うが。お前らだって現場の人間のせいにしただろという重い一発ができちゃった感じがある。
今日は若干寒いのか、それとも寒くなくて気温差がキツいのか、どちらか分からないまま出かける準備をしていた。風が強いせいもあるかもしれない、しかしとりあえずこちらは雨が降っていないのだし、しかも明日は予定が変わって雨だというのだからちゃんと出かける用意をして近所へ出かけた。近所といえばブックオフ、それにセール最終日のリサイクルショップだが、これらの店を回って、結局何も買わなかった。しかし今日はなぜその方面にお出かけしたのか、それは郵便物を投函するという用事があったからだ、その用事を堂々と忘れていたことに、ブックオフで商品を物色している最中に気付いてしまったので、後半の外出はかなりテンションが低いということになってしまった。これは結局帰ってからすぐ投函などということはせず、飯前にランニングするときについでに投函ということにしてことなきを得た。夕方は焼酎を飲みながら音楽を作るシステムのセッティングをしまくっていた。で夕飯時には、今書いたようにその前にランニングをして云々というやつだが、夕飯時にはテレビを見るわけだ、そうするとまた台風のニュース。川の氾濫のニュースだいたい無事な場所映さないし日本全国水浸しみたいな錯覚を受けるんだよな。だいたい世の不幸をマスコミが増幅しているというのはこれで、今までも書いてきたしあとでも書くかもしれないんだが、とにかくマスコミは悲劇を増幅する。そもそもネットも新聞もテレビもラジオもなければめちゃくちゃ不便だろうけど、その代わり知らされるのは身内と近所の悲劇ぐらいなんだよな、そういう生活であれば何もかも遮断というわけではないが、それでも都会の水害やアメリカの山火事、その他多くの悲劇について話ぐらいには聞いても詳しく知ることはないだろうしそこまでこころを痛めないだろう。でも今は違うんだよな。どこにいても世界中の悲劇がやってくるし、ネットやテレビを使う以上見ないようにすることも不可能だ。そして悲劇を伝えるメディアが同じ程度で回復後の地域のことを語ることはない。だからおれはもうそういうのは軽視するか無視するしかないと考えてるんだよね、はあアメリカの山火事、アラブの難民、東京の台風、ひどいみたいですね、でも関係ないからな、と。それでもし冷たいとか言うひとがいたら、全世界の悲しみを引き受けられるほど人間は強くないしお前がひとりでやってろ、とでも言っておけばいいと考えている。ところで今日も読むべきまんが雑誌が届いてない。理由は絶対に分かっている、台風なんだけど、把握ぐらいはしとくかと思って伝票番号撃ち込んで検索してみたら、まだ東京を脱出していないのであった。これに関しては本当にしょうがないとしか考えていないけど、なんか水でダメージ受けてるとかだったらどうなるんだろとか、余計なことは考えてしまった。