ぐ戒

自転車で帰り道を走っていたらなんかガタガタするしまさかと思ってタイヤを触ってみたらパンクしていたので昔のバイト先に緊急に入って空気入れだけ借りようとしたら社長がいいひとなので張り切って自転車屋に聞きに行ってくれたけどもう十九時だししかもその店というのもコンテナみたいな外観だったので夜遅いからやってないというかそもそも潰れているのではと思ったりしたけど店主の家族とは連絡が取れたと言われたしこれって本当に今日中に何とかなるのかなと不安になったが社長は小川を見つめながら諦めていない様子だという夢を見た。この昔のバイト先っていうのが橋の下にあったんだけど、明らかにそんな場所にはなかった。記憶が活かされていない夢だな。起き抜けには、ネオンサインを操る少年に勝手に夢の内容を決められる夢を見た。これは完全に記憶にないし、しかも夢の中で夢の話をしている。
今日はそうしようとこころに決めていたので、本棚から捨てるべき本をセレクトしていた。集中してしまうと考えこんでしまうし、こういうときの集中は別に悪いというわけでもないんだが、捨てる本はあんまり考えて選びたくないんだよな、考え込んじゃうと、もともとが欲しいと思って買った本だから、どれも必要だということになるし。前回もそれで二冊ぐらいは捨てられなかったんだが、今回はそのうちの一冊を、特に中を確認することもなく捨てるゾーンに移動させた、そうすることに成功した。これもまたゴミ箱じゃなくてブックオフに捨てるからややこしいんだよな。ややこしくはあるがブックオフに捨てた方がマシなんだ、もう取り戻せなくなるから。ゴミ箱に捨てたり物置に一時保管ということにすると、あとで気になったときに拾い上げることができちゃうので良くない。そういった意味合いでは焼却炉が一番手っ取り早いし、おれは一時期何の気なしに欲しい欲しいと言っていたものだが、でっかい炎を発するものが敷地内にあるというのもそれはそれで怖いものだ。そうするとやはり一番マシなのはブックオフに捨てるという選択肢だろうな。売るとなると手間がかかる上、店内で再開する可能性がごくわずかながらあるので嫌なんだ。だってそれも取り戻すことが可能だし。そういうことを考えながら捨てるべき本をチョイスしていたわけではないが、捨てる本を抜くと当然本棚に隙間が空く、その隙間を埋めるように本棚を整理していたら、結局ただ本を捨てるより時間がかかってしまったので、なんなんだこの集中力はと、やはり集中力を敵視するハメになってしまった。
とりあえず捨てるべき本を汚してからブックオフへ。結局本は七冊捨てて、一応店内へ。見て回ったけど特に買うべきものはなかった。帰り道で酒屋に立ち寄ったけど、ここでも買いたいものは特になし。帰宅してパンとコーヒーを片手にペットボトル焼酎を飲むことにした。そういうときはストリートビューもやってるけど、外国の景色を見つつ、パソコンの背後にある窓の向こうにうっすらと見える化け物みたいなでかい月をも見る、というのは、酒が入っていることもあってなかなか良かった。そのあとにパリの古書店の話を読んだけど、読書スピードは少し落ちているみたいだった。
未だに黄金の便器が盗まれた話が報道されていて、金額から言えば確かに大事件なんだけどその便器という、わざとアーティストが下らなくするように意図したものが実際コソ泥という下らない存在に盗まれたという一連の流れがどうも滑稽なのでかわいそうに思えない。感覚としては人間の尻の穴に入れてでもコカインを取り引きしたがる悪人がいるぐらいだし、実際に排泄に使われた黄金の便器盗むぐらいわけないんだろうな。お金の問題とか結局どうなるんだろうね、そもそも、いちアーティストがどういう原資を使って黄金の便器なんていうおぞましく金がかかるものを作ったのか不明だし。夕飯食ってるときには、シュシュッて振ったらルービックキューブが揃う手品を見たけど、いやプレイしろやって思ってしまった。おれは遊びに対しては正直なので。深夜にはリリース行動をとった。