ぐ戒

ミルを飾っていたはずだがそれに似た青いマシンで庭から泥を採取している業者がいてさっきのおれの飾りを指差してこの緑のやつは取らなくていいんスよねと質問されたのでハイ飾りですと返事しておれも指先で汚れを取るなどして手伝っていたのだがもうひとりの業者のおっさんが書類を手渡してきたし宣伝だと思って一度断ったがどうしてもというので見てみると見積もりのようでそこには五万かける二で十万と書かれており高くてビビったし網戸掃除じゃないのかよ何か間違ってるだろと思うが言い出せない夢を見た。これ、記憶には残っているんだけど何をどうしていた夢なのかまったく思い出せないんだよな。感覚的にはコーヒーミルが次の瞬間には重機に変わっていて、それにもかかわらずおれはその重機がミルであるかのように指先でホコリを払っており、さらにはその全体の作業を網戸の掃除だと思っていた。おれは感覚的にこれがどういう意味なのか分かるんだけど、文章にしてみるとまったく分からないな。困ったことだ。起き抜けには、猫が横につながったマークを見る夢を見た。全然覚えてない。
今日も今日とて芸人のニュースを見ていた。頼む面白くなってくれと祈った結果本当に面白くなったので見ないわけにはいかない。嘘つきが鉄槌をガンガン食らっているのでとても楽しい。闇営業もオレオレ詐欺もネタにするのにそのふたつが合体すると急に真顔になってしまう芸人さんとか何なんだろうな。この活動休止の話が出る前はどの芸人も闇営業をネタにしていたはずだが、重い話になった途端結構な数の芸人が迂回し始めたぞ。しかし、お笑いにそこまでドップリじゃないおれでも芸人が闇営業を笑いのネタにしている様子は何度か見たことがあるが、しばらくは不自然なぐらい出てこないんだろうな。これもこれで面白いことだよ。だって同じように罪ではない不倫とか、最近さあカーセックス不倫してたひといるじゃん、ああいうのはドンドンいじっていくわけでしょ。でも身内の嘘になったら急に避けるのってどうなの? バリバリいじればいいよね。ときに、闇営業でニュース検索してると「お金を受け取ってないというウソを見抜けなかった」という芸人のコメントばっかりなんだが、一般人でも金もらわないとかありえないだろと噂してたのに当の芸人がそんな認識なのか、それでコメンテーターとか務まるのかな? だいたい、闇営業行った奴が十三人もいて、全員が金を受け取っていたのに全員が金は受け取っていませんでしたって言うのも変だし(普通は確率的にひとりぐらいもらってましたって言いそう)、口裏合わせ絶対にあったよな、それとも強烈な縦社会による空気読みが発生したのかもしれないが、それもそれで暗黙の了解という名のより強い口裏合わせだし。とにかくおれたちは楽しかった頃の小保方晴子さん、佐野研二郎さん、闇営業芸人さんの写真を見る度に笑う権利を有している。
今日は川で石を捨てて極小の小石を拾った。なぜかと言うと自室用にするためだ。百均で一番小さい仕切りの箱を購入してこれらをぶっこみ、部屋の中に置いておけば満足する見た目になるし、手に取れば観察することもできるんだから、それ以上にいいことはあるまいと考えてのことだった。それ袋の中にじゃらじゃらと小石を入れたままガレージの古書店に行ったけど何もなし、新竪では掘り出し物があって太い本を二冊も購入してしまった。非常に嬉しいが捨てる本を検討しなければいけない、部屋に無限に本を置けるわけではないので。で帰ってからはちょっと日課めいてきたネットレーベル掘りを開始しようとこころに決めていたんだが、なんとアーカイブオルグが落ちている。しかも十分とか三十分ではなく、非常に長い時間落ちているとのこと。これで完全に出ばなをくじかれてしまったのでしばらくボーッとしてしまったが、ないものはないので諦めて音楽を作ることにした。しかしそういう瞬間を挟んだせいなのか、作ったら作ったで眠くなるというアクシデントが発生した。
セフレの感想は後回し。夜中にはビッグガンガンを読んだ。ビッグガンガンはどこがビッグやねんと毎回言いたくなる薄さになっている。これでも分厚い時期はあったのだがもう二年ぐらいは薄いままだ、どうなっているんだ。ビッグガンガンのそもそもの軸はビッグであることだったので、薄くなって長い時間が経過した今、未だに方向性が定まらないみたいなことになっている。ディメンションWを交換条件的に引っ張ってきたときはまだ分厚かった気がするんだよな、ああ交換条件でこっちに来たんだな、まあご奉仕したので妥当だろう、お互いに充実した内容になるといいですね、と思っていた記憶があるので。そのディメンジョンWが今月で終わり、ユーベルもゲームのも終わってしまって、屋台骨がどんどん失われていく、本当に何の雑誌か分からなくなってきた。
セフレこと世界ふれあい街歩きポルトガルのファロ。街の名前のモニュメントにガキが集合しているシーンからスタート。旧市街の前の門の上にコウノトリが巣を作っているが街の名物というかコウノトリ自体を街で大事にしているのでそのまま残しているらしい。で大聖堂の前にスペインの観光客が集合している。まあ観光客には用がないな。そこで、ちょっと入ったところにあるピンクのお屋敷の庭が豪華という展開になったのだが、貴族ですかという問いかけに普通の家族ですと答えていた、でも明らかに金を持っているだろ、中流の生活ではない、そもそも観光地の近くに住んでいるわけだし。彼らと対照的な存在として、ブラジルから出稼ぎに来たひとたちが映されたのかもしれない領事館で手続き待ちだという。えっ、ブラジルはポルトガルに占領されていたんですか?! なんて悪いんだ、ポルトガルめ! 歴史コーナーではその事実が語られるのかと思っていたが、大航海時代から急にぶっ飛んで最近のラグーンの紹介になった。次に出てきたのは平屋の長屋っぽい、住宅街か? 老夫婦がいて畑を案内するという、こっちの家は見せないんだな。畑仕事に行く前にコップ一杯のワインを一気飲みしており、そのジジイにワインを渡した相手である八十七歳のジジイも家から顔を出して一気飲み、いいやり取りだ。畑仕事は畑仕事っていうぐらいだし酒飲んでもできるのでいいですね、酒飲みながらできない労働は劣悪。次もジジイ、絵描きの家に行く。人生イコール絵のひとで、それらの絵を売る気がなさそうなのがいい、多分このひとは引退しているんだろう。さらに次もジジイ、靴の修理屋のジジイが抱いてるのはアヒルの赤ちゃんで名前はじゃがいも。ポルトガル語だったけどなんて表記だったか忘れたな。ポルトガル人は鳥を飼うのが好きとか言ってるけど、家で鳥飼ってると言われてアヒル出てきたら完全に不意打ちでしょ。ここでグルメコーナーに突入したが、ゴチャゴチャしたメシばっかりだった。つーか、よく考えたら町並み無電柱なんだな、まあヨーロッパだから当たり前なのかもしれん、また教会の上にコウノトリの巣がある様子を見る。で市場に入るんだけど、これは市場というよりショッピングモールという様子だ、しかし中に入っているのはやはり市場的な店だ。その中で楽団が演奏している、これは大学組織のトゥナと呼ばれる団体であり、トゥナとは学生の楽団とのこと。そしてそのままスタッフは去ってしまった、おいおい市場としては見ないのかよ。で外にはコワモテの男女がいる、彼らはファロのバイククラブ、ファロはバイクで有名とのこと。そんな描写今までなかったけどな。しかし番組すべてを通して、なんでこんなにバイクを見たがるんだろうスタッフは。こいつらは危ない運転しないですよーと言いながら歩道をガンガン横切っていったのでクソのバイク野郎どもだと思った。それから工事中で残念な教会では、修道士の骨をふんだんに使った礼拝堂を見る、ここで感動のシーンで使用される音楽が流れてきたのでちょっと笑ってしまった。寄り道コーナーはサグレス、世界の果ての珍味を食べる。「ペルセベス」を見るために漁のお供をするので街歩きのシーンは皆無。ペルセベスは日本で言うところの亀の手らしく、最後は食うシーンがあったけどすぐ終わった。戻ったら夜で夕方のシーンはなし。さっきの市場にいた学生楽団にセレナータつまり愛の告白を依頼する男がいて盛り上がるという寸法。女は告白に感動しましたみたいなやり取りで終わりだった。まあ愛で締めくくるというのはありがちですね。ファロ、良かったかどうかと言われると悪いのだが、適当に生きてるジジイが良かったのでヨーロッパの中ではマシだった。一度も訪れたことない街だったし。