ぐ戒

手にピザの切れ端をジップロックの袋に詰めたものをつまみながら髪の長い女目線で夜中の横断歩道からギッチギチに渋滞している車の列をかき分ける夢を見た。髪の長い女というのは当然じぶんのことではないけれどもどうやってじぶんが髪の長い女であることが分かったのか、が分からなくて、そこを攻めればもうちょっと夢が思い出せるはずだと思っていたが、そういう時間はないのだった。感嘆に書くと昨日二重の意味で挫折したブックオフのセールのために今日早起きした、それは間違いなくしたんだけど、よく考えたらそんなに欲しいものないかな? みたいな余裕が、貧乏人のくせに非常に広いこころでもって湧き上がってきたので再び孤独とベッドインという洒落た行為に躍り出た結果、髪の長い女になり、昼までガッツリ寝てしまったというワケ。
せめて、せめてものせめてで、早く出かけたいなーと思ってたら、なんと13時過ぎには出かけられるというミラクル発生、いつもこの時間に出かけてれば時間を有効に使い回せるのでは、北区のペンネームはクロカワさんからのお便りです、みたいなことを考えながら朦朧と、やばいな、しかし朦朧と白昼の雑木林を、雑木林じゃないなアレは、街路樹の中を主に車道メインで自転車で通行した。たしか歩行者の脇を自転車はスビードあげて通行してはいけないという素晴らしい法律だか条例だか、そういうものがあるおかげで歩道なんか余程のことがない限り自転車で通行したくないし、またそういう素晴らしい約束事は当然自動車にも適用されてるはずなんだけど、車道を自転車で通行してると車は、大抵自転車の横ではスピードを上げて押し迫ってくる。無理に追い越しちゃいけないって言われてるはずなのに、oh! この話を展開していってもおれのガソリン(主にクッキーやチョコレート)がもらえるわけでもないので流しますと、まあブックオフに行ったわけですよね、いつになったら行けるんだ。
で結局ブックオフ二店舗で本を七冊ほどサルベージした。目的にしていた本はなかったけどそれ以外の本はあったしセール品以外にも気になっていた本が安いコーナーに押し出されていたので買ったりと、やや充実した、金のない買い物だったし、帰ったのが15時ジャストという早さ。いつもならまだ出かけてない時間だし、帰ってくるときも太陽の位置が高くて地面がよく見えたし、いいことずくめなんじゃないのと思いつつ、明日から毎日すぐ出かけるかというと、日記を書いている本日も含めて一切そのような事実はございません。
帰ったのがあまりに早かったのですっかり見通しの良い時間の余り方をした結果、ひたすら音楽を作るという素晴らしいアウトプットに突入したが、この時間帯というのが非常に眠かったりだるかったりする時間帯で、それだから出かけていたのであり、当然のように一部麻痺したような指先を振るいつつ、いつのまにか留守番にされていた寂しさをあまり感じることもなく、数時間単位でキャラメルコーンみたいな姿勢を取っていたので背中が痛くなって、いつの間にか外が真っ暗だったので少し寝るかーと思ったがそれも果たせず、気付いたら晩ご飯を食べていた。
旅番組なんかも制作費がおそらくバンバン削られてて、その影響だと思うけどルツェルンの映像が土砂降りで、あたかもコンディションが良くなるまで待てなかったのでこのまま撮影しましたといわんばかりの打ち付ける飴の音と、全体的に青みがかった町並みの映像になっていた。だから悪いかというとそんなことはなく、むしろ境界とか静かな町並み、傘を差して憂鬱そうに往来するひとの影なんかが雨ときれいに融合してて結果的にいい風景になっていたので、これからもテレビの制作費をバンバン削ってほしいと願った。
横田めぐみの誕生会、すごい怖いんだけど。あれは(たとえ実際に死んでいたとしても)死んでいるなんて絶対に認めないぞという脅迫だよね。人間いつかは死ぬんだから病気や事故で死んだという可能性だってあるはずだけどそれすら認めないという気迫を感じる。去年も書いたし一昨年も書いたな、これ。むしろアレは真実を積極的に葬ってるパターンを作ってるように見える。