ぐ戒

バイト先の買い出しをしにスーパーに来たけどおれが店のエプロンをつけているからかほかの客がこっちの買い物かごに食材やワインなどをどんどん入れていくしあとで払うということかと思いはしたものの会計がどう考えても五万円以上になっているので店から預かった金におれの手持ちを加えても余裕で足りないし店のクレカ使えばいいかと思ったがそれすらもない状態だったしよく考えたら店の倉庫の箱の中にしまってあると気付いたのでひとまず床に重くなった買い物かごを放置してスーパーを出て念のため作業中のガレージに戻ってみたら案の定カードは鍵のかかった箱の中だったしとりあえず古書売り場に金文字背表紙の本を戻してから家まで全力疾走をキメたんだが近所にはアンパンマンの壁画ができてたし建物にもアニメの壁画があったのでそういや安易な町おこしに転じたんだなと考えながら息を切らしつつ帰宅してじぶんの部屋に駆け込むと蛍光灯のフードの中で結晶した謎の薄緑の鉱物がパラパラとカーペットの上に落ちていてこれの掃除も残っていたんだったとうんざりしながらもネット上に宝石の写真欲しがってる奴がいたことを思い出しこんなゴミみたいな結晶でもいいのかなと考えつつ引き出しに入っていた鍵を取り出して財布にしまおうとしたらその周りの布がペロンと剥がれてしまったので何もかも壊れていくなとひとしきり悲しがったあと鍵をしまって店に戻ろうとしたが風だけが強かったので茶色のビニール傘が何度も裏返しになってしまったし近所の様子もいつの間にか少し変わっていて新しくできた和風の店はストリートビューで見た通りだが準備中だったし複数の隣り合う住宅も更地にされていたのでこの辺商業地になるのかと考えてたらグニャグニャの道のボロ家屋の軒下にひとに馴れた子猫がいたし近くに親猫がいたら怒られるのでほどほどに触れ合っていたらその辺にあって完全にただの物体だと思っていた寝袋から急に女が出てきて泊りがけで猫を愛でていると自己紹介を始める夢を見た。楽しい夢だったので完全に覚えている。近所、特に店のあたりは実在する家だったんだが店ではない。
起きてからしばらくは雨雲レーダーとにらめっこをしていた。こういううすくて到達してるかどうかも分からん雨雲で強い雨が降るのマジで意味分からん、石川県は狂っている。そしてアメダスにまったく降水が観測されていない。これだと今日の午後は雨が降らなかったことにされてしまう、降ってるぞ!! 降っているのだからおれが日記に書いて記録に残しておかねばならない。気象庁なんかに負けないぞ!! 覚悟があったので出かけられなくてもいいんだが、雨が降ってないことにされるのは許されないからね。一日中家にいるので荘園の本をひたすら読んでいた。支配者の話だからしょうがないのだが、荘園の話を読んでいるはずが僧侶の人生みたいなのを読むことになってしまい、知識がゼロなので非常に眠くなってしまった。名前も似たようなのばっかりだし。夜はゴーヤチャンプルーからゴーヤを抜いたもの? を頂きましたが、それは野菜炒めでは……??