ぐ戒

電話がめっちゃ鳴っててなんだろう耳栓してるから気付かなかったふりもできるけど無視したら失礼かなと起き上がってみると玄関でドンドンドアを叩く音がしたのでそこから電話を鳴らしたのかどういう仕組みなんだろうと考えつつ階段を降りていると玄関の外からよく知った迷惑なでかい声で起きろ朝だぞと叫ぶ声が聞こえたので朝ではないしウザいからやっぱり無視して寝直す夢を見た。夢の中でも耳栓してるってのが驚きだが、そもそも耳栓してるから音は聞こえてないはずなんだよな。午前十一時の起き抜けには、アメリカンおしゃれ野郎の雑誌が男女共に全員ムキムキで面白かったしひょんなきっかけで手に入れたこともあり英語も読めないからしっかり保管しておかないと忘れるなと注意する夢を見た。なんだろう、こんな変な雑誌なんか買ったことないんだけど。起き抜けには、おれがネットで情報を教えている場所のことを学校って呼ぶのはまだいいけど校長呼ばわりするのはダサいからやめてと懇願する夢を見た。それは確かにダサい。というかちょっとバカにしてるだろ、褒め殺し的な意味で。
さっきテレビで朝ごはん食べながら世界のニュースを見てたら、オーストラリアのニュースでサイバー戦を展開する兵士のことを「キーボード戦士」と呼んでいたので、ザコっぽいなと思った。なんだろう、そんな要素ひとつもないのにな、なんでザコっぽく見えちゃうんだ。一個はなんかカタカナのあとに戦士って付けられたらダサく見えるというのがあるか、サイバー戦士、ポリコレ戦士、たしかにダサい。あとそもそもキーボード戦士って書かれるとキーボードを持って殴りかかっているように感じられて、それもダサいんだよな、こんな単純な組み合わせでここまでダサくなるとは思っていなかった。キーボードといえば、キートップを一個一個外すの年に一回ぐらいやるけど、極度にめんどくさいし極度に汚れているしウンザリしてしまう、極度に汚れているのは頻繁に掃除すればいいだけなんだけど、あんなもん全部引っこ抜いて掃除するとなったら確実に一時間ぐらいかかるし、しかもキートップ引っこ抜いたあとの穴にゴミが落ちないように特別な注意を払わなきゃならないから、そんなに気軽に実行できない。
今日は出かけようと思っていたんだけど、いやいや、そんな気分じゃないし、確かに今日は晴れているが明日も晴れでしかも雑誌の受け取りがあってお出かけ必須だから、出かけるのやめようとなった。しかしそこで図書館のことを思い出した。今年になってから一度も行ってない気がする、どうだろうか? とにかく去年の晩秋、日没が早くなってからはほとんど行かなくなって、それで、そうだ、鞄が壊れて、筆記用具の持ち歩きが非常に不便になってからは完全に足が遠のいていたんだった。それで今日はちょっと気合を入れて、なんとかして筆記用具を運搬してだな、と考えている最中に、往復で最低でも四十分はかかることに気付いた。往復の時間が無駄じゃん。その考えに至ってからは本当に出かける気がなくなり、完全に自宅読書体制を整えてしまった。それで六年前の過労死の本を読んでいたら、「ホワイトカラーで特に労働時間が多いのは医師と教師」という、常々考えてることとまったく同じ内容が出てきたし、しかもこの六年間、実態が何も変わっていないというオマケまで付いてきた。教師は給特法? だっけ? 今これをグーグル日本語入力で出力しようと思ったら候補にすらなくてビビったが、ともかくああいう悪魔みたいな法律がある上に現場も厳しい、そして大量の給料がもらえるわけでもない、こういう実態に常に死にかけている。学校教育じゃ、道徳とかいってさあ、ガキに倫理を叩き込むわけじゃん。教師の現状を教えてやれば、みんな道徳心がつくし、労働は邪悪だと気付くし、しかも教師に対して優しくできるようになるし、いいことずくめだと思うんだけどな。なんでやらないんだろ。
夕方のニュースを見ていたら、近江町市場に「ペイペイ使いまっし」という札が出ている様子が放送されていた、そういうノリが嫌いなんだぞ。金沢弁って現地で使っている身としてはかっこよくもないしかわいくもない、さりとて東北のように極端に日本語から離れていて逆に魅力を感じるわけでもない、絶妙につまらないという感触がある。それでも方言アピールは地方としてしょうがないところではあるが、石川県の場合とにかく方言を使っときゃ何も考えなくてええやろという姿勢しか感じられず、結果どこもかしこもめちゃくちゃダサくなってしまっている。この辺が大変にツラい。あと、「ありがとう」と「がんばるぞ」の気持ちを込めて風船を飛ばす、とか言ってたけど、おれは空気しか詰めたことがないから意味が分からなかった。一時期海洋生物などが飲み込むから風船を飛ばすなという風潮があったけど、あれはもう解決したのかな。