ぐ戒

十階以上あるマンションを徘徊していたが体がだるくなってきたので四階って確かマッサージ屋だったよなと向かってみると新婚夫婦の居住区だったので見られてないことをいいことに黙って出てきてなんだよ一階かよ先に言えよと思ったら一階は歯医者だったのでギエー歯医者嫌いという気持ちになって建物を出て他県の謎の事務所に赴き頭の中を読んでくる女と対峙したんだけどただ会話してるときからもう脳を覗き込んできてこいつ殺しのマンションの合い言葉を探ろうとしているなと直感したので思考をやめたんだけど女はニコニコしていてもう手遅れだと分かったし用済みという感じで事務所を追い出され危険を知らせに行かねばとマンションに戻ったらどういう近道を通ったのか背後にその女が迫ってきててマンションを閉めても合い言葉がバレてるからセキュリティーを突破して堂々と情報泥棒としてやってきたのでボスに助けを乞うと拳銃で鮮やかに始末してくれたしワーッと歓声が上がる中おれはキムの影を見る夢を見た。このときのキムっていうのは金正恩だったはずだ。あと、博物館みたいな場所でロシア人の声が聞こえて振り向くとロシア人二人組がいたんだけどロシア語知らんしジェスチャーと彼らが見ている映像から悟る限り昔懐かしいガムがまだ食えるかどうかを話し合っているらしいが古書店でもあったその懐かしグッズのフロアはもう商売をやめてしまうらしくいろんなものが放出されていてその中におれが持っているボロボロのカルタが新品状態で付属品も全部ついて百五十五円で売られていて非常に物欲を刺激されたがこれを置く場所がないんだよなと諦める夢を見た。置く場所がなくて諦めるというの最近のおれの傾向だし、それはつまり本を捨てなければならない時期に差し掛かっているということだ。ちなみにこのふたつの夢はなんとなく繋がってる気がするんだけど繋がりにあたる部分を思い出せなかった。あとあと、床に大量にこぼしてしまった香辛料を汚いながらも拾って食べてたらベージュのコショウみたいな粉はきな粉みたいな味がするしコーンみたいなやつはうまいですよと大御所に教えてやったらどれどれと探し始めたので指差して教えて食わせたんだけどピンと来てもらえなかったしそのうちにメシ食ってることを忘れてて気付けばリンゴがめちゃくちゃに茶色くふやけてしまっている夢を見た。この床が昔のバイト先の酒屋っぽくて嫌なんだよな。多分頭の中に店舗の床っていうデータがあんまりないから出てきたんだろうけど。酒屋の床の形状が頭にこびりついているのは、毎日床掃除をしていたからです。起き抜けには、書き順を守ることが趣味だという奴がいたので警察みたいだなと指摘する夢を見た。
なんかお茶サイトの紹介文をパクリアカウントが書いているみたいな地獄の風景を目にしてしまったのでダッシュで確認しに行ったんだけど、完全に無の感想が綴られていたのでこっちの気持ちも無になってしまった。まあ日記では名指ししないですけど、パクリアカウントって当然じぶんにその能力がないからパクるので、じぶんの力だけでキャッチコピーを作ろうとするとマジで平凡以下になってしまう。Amazonで商品一個しか買ってないやつが書いてるカスタマーレビューみたいだ。ちなみに、まあ、そのお茶っていうのは綾鷹だが、綾鷹のなんかのキャンペーンのコップは非常に使いやすいしリサイクルショップで安値で転がっていて便利だと思う。あれで綾鷹のロゴが入っていなければ完璧なんだけど。そのあとインターネットニュースを見たら、ラグビーワールドカップに備えてビールの準備は大丈夫ですか? という記事があった。なんつーかビールいっぱい用意してねっていうのはビジネスの話だからいいよ。でもなんでモラルまで外国に合わせなきゃならないんだ。外人がギャーギャー騒いでても大丈夫だよ交流を楽しみにしているだけだよ、とか言うなら奇人がギャーギャー騒ぐのも止められなくなるじゃん、外人を特別扱いするなよ。外国を旅行しているときに、日本のモラルを押し付けている奴がいたら嫌でしょ。とか愚痴ってたら外人じゃなくてヒヨドリがギャーギャー騒ぎ始めた。
そういえば卒業シーズンなのでニュースでもそれ系の話題がぼちぼち出てくる。その中で黒板アートが云々という文脈があって、卒業するクラスに下級生がチョークで絵を書きました美しい心遣いですねという感想が書かれている。別にその心遣いを否定するつもりは毛頭ないんだけど、黒板アートではなくない? その「黒板アート」の卒業の卒の字が変だなあと思ってまじまじ見ていて思ったけどアートではない、いや、アートだけど黒板アートではない、黒板アートっていわば超絶技巧みたいなノリで出てきたはずなのでこういう普通の絵まで黒板アートとか言ってるのはなんか変な気がする。こういうのでよければ、それは昔からあった風習だろ。なんか入学式に黒板に入学おめでとうとか書くみたいなノリはさ。それで、黒板とか文集に絵を描くときだけ呼び出される男や女のオタクがいるじゃんみたいにネタにしてたでしょ。ところで同じ画像には、黒板なのでその上に掲げられている校訓などが写り込んでいる。その地殻にある額縁には、「何を」が抜けている三か条が差し込まれていた。学校という文脈を考えるとそれの主語はイジメなのかもしれないなと思ったけど、なんで目的語を抜くんだろう。イジメってダイレクトに書くと衝撃が大きいからか? いや、大きくていいだろ。
今日は近所のブックオフに向かった。夢の中で置き場所がない云々という内容を見ていたにもかかわらず欲しいものがたくさんあったので、脳、化学、数学、過労死の本を一冊ずつ買った。珍しく素晴らしいラインナップだったし、しかもセールでもあったのでこれは運が良かった。運が良かったときははっきり書いておくぞ、どうせ合計したら運が悪いんだし。それでリサイクルショップへ行き、最安値の部屋着ジーンズを買った、これは目的通りのものだ。しかし選択肢はほぼなかった。昔は百円のジーンズもあったはずだが、いつの間にか最安値が三百円になり、しかもほとんどないという品揃えになっている。今日もズボンを全部見たが、百点ぐらいあった中に三百円の品物は三点しかなかった。そして三点のうち二点は薄いもので、ジーンズ生地のものは一点しかなかった。よってそれしか選択肢がなく、それはユニクロのものであった。帰りにはいつもの酒屋でシガーフライを一個買った。ところで脳の本を買ったと書いたが、これは自らに対する対処の意味合いもある。つまり、昔からそうなんだけど、たまに強迫性障害っぽい不安がドバーと押し寄せることがあって、そのとき脳のことを考えるとこの物体がおれの邪魔をしていると認識できて落ち着くので、そういう意味で脳の本を買って読んだり、脳の話を検索して見たりしている。そのつもりだったし事実有益だったんだが、最近は純粋に面白くなってきた。思い出しついでにもう一個書いておくと、こないだガレージの古書店に篆書・隷書の書道の手本みたいなやつがあって、かっこよかったから買おうと思ったんだけど、解説に「芸術の名を借りて神聖文字をけがすことのないように」みたいなこと書いてあってウルセーと思ったので買わなかった。