ぐ戒

午前十一時の起き抜けには、待ち合わせして夜の野原に出かけることになったんだけど自転車はカバンを背負っていると入り込めない家の裏の隙間に入れてあったと思い出したので一旦カバンを置いて自転車を出して戻ってみるとガキがベタベタそのカバンを触っていたので注意したら蜘蛛の子を散らすようにどっか行ったし目的の野原に出かけると野原の手前の荒野がそのガキと引率者に占拠されていたし仕方なくバスに乗って和気あいあいと席の取り合いをしていたら走り出して間もなく方向が違うと気付きしかもサービス期間で長距離を安い値段で行くというプランだったので途中で降りることもできず待ち合わせしている相手とは連絡手段もないためメールアドレスぐらい聞いておけば良かったなと悔やみつつもとりあえず始点と終点が同じなので乗り続けて田舎の風景をひたすら見ていると時間をものすごく浪費してしまった挙げ句ブレーキを踏む場所が違うとかなんとかで運転手ともみ合いになりやっとのことでテレビ局前に到着したんだけどそこでプロデューサーが待ち構えていてお前らには時給八百円も出せないがADをしてくれと言われたので強引に帰ったところ貧しさに耐えてこそテレビマンだとベッドとサーキュレーターと電気スタンドしかない部屋で眠るデブの映像を脳に直接送られる夢を見た。この夢、めちゃくちゃ悪夢で飛び起きてしまった、おれはひとを待たせるというのがものすごく嫌いでありその延長として待ち合わせそのものが嫌いになるような人間なので。あとテレビ業界の人間に興味を抱いたこともないし調べたこともないのでご覧のように適当な描写なのだが、それでも夢に出てくるというのはどういったわけだろう。起き抜けには、いつもの信号の手前で左折したら自転車がパンクしていることに気付き体重をかけないと分からないレベルとは言えこれ以上進むのは危険だと判断して帰宅したらもう一台の自転車もパンクしており風が穴から出ていてさらには着ている長袖もパンクみたいに破れているためこんな厳しいことある? と嘆く夢を見た。これもちょっと悪夢だったけど、風が顔に当たる感触まで残っていてすごいとも思った。夢って普通視覚以外はまともに働かないじゃないですか。
今日は暖かい、本当に暖かい、冗談抜きに暖かい。十二月なのに起きた時点で金沢は二十六・六度とある、クレイジーにもホドがある、ほぼ夏日じゃん、入ったばかりとはいえ十二月だぞ、こんなことは過去になかったはずだ。こんなに暖かくなるならもう冬終わりってことにしてほしい、その方が嬉しいから、またサンダルで生活したいので。これで明日の最高気温は十度だっていうんだから本当に最悪だ、天気はおれの身体壊す気か。しかし誠に気分がいいので本当に夏の格好をしている、こんな日は今日しかない。この調子で気持ちの良いインターネットニュースを読もうと思っていたんだけど、なんかまた外国人技能実習生のニュースが目に止まってしまった。大半の技能実習生が最低賃金以下で働いているのではないかという疑問に対する政府の回答として、"「聴取票」は「実習生からの申し出」を機械的にとりまとめたものだとし、同省の担当者も「ただちに最低賃金以下とは認定できない」"というものがあってかなり謎だった。昨日賃金だけじゃなくて勤務地も見たいって日記だかツイッターだかどこかに書いたのは、最低賃金の地方格差が関係してる可能性もあったからなんだけど、この言い方だと聞いただけだから本当に最低賃金以下かどうか分からんて意味なのかな、でもそれだと聴取表作ってる意味なさそうなんだが……。
今日はどうしても出かけたい天気だが、どうしても出かけられない天気だ。つまり気温は高いが天気は明らかに悪い。それで仕方なくずっとインターネットのニュースを読んでいた。そしたらモロッコで結婚を拒絶された女が恋人の男を殺して近隣住民に料理として振る舞ったという地獄みたいな記事が出ていたので食い入るように読み込んでしまった。錯乱状態なのにヒトの肉で料理作って振る舞うというのはすごいと思うんだが、まあ普通に考えたら錯乱状態というのが嘘なんだろうな。海外の話といえば、なんか年収二十五億の七歳児というあまりにも格差がひどいニュースも目にした。これ親と揉めそうだなと考えていたんだけど、どうもアメリカには収入の一部は別の口座に貯蓄して本人が成人になるまで引き渡されないという法律があるようで、これはうまいことできていると感心した。ただその記事の中で「人生百回分の資金がある七歳児」と紹介されていたのが虚しかった、一方人生一回分の資金もない、このおれ……。
今日の最高気温は結局二十四・七度で確定したみたいだった。ここまで来たら、せっかくなので夏日を突破してほしかったという思いは強く強くある。ちなみに今日のセフレ事世界ふれあい街歩きジブラルタルなので書くべきことがないのですが、ここって前も再放送してたはずだから都合三回も見せてるんだよな、なんでそんな不自然なまねをするのか。海外の街歩きといえば暴力的なデモの中、フランスの住民たちが普通に歩いている様子を見てギョッとしたものだが、どうもスポーツ新聞の記者の感想に、フランスは暴力的なデモが起こっている中でも普通に生活していて驚いたなどと書かれていたので、違和感を覚えていたのはおれだけではなかったようだった。