ぐ戒

買い忘れていた雑誌を求めてあちこちの本屋を巡り色んな店にその雑誌の在庫があったら教えてくださいと頼んでおりまた別の店に来たのだが衣服売り場とレジが同一なので並んでる客がたくさんいてモタモタさせられたしやっとレジに到達したけど次の号が出てから七日経っているから無理かもなあと諦めかけていたら最初の店から携帯の留守電に連絡が入っていたので確認してみると予約商品全部整いましたとメッセージが入っておりえっここに依頼してから二十四時間経過してないぞと驚いたのだが先に買い忘れた先月号が届くらしく煮干しのように疲れていますがそれでもよろしければという内容だったので読めるならもちろんいいと返事しかけたところでどういう汚れ過多であるかがその比喩では分からないなと正気に返る夢を見た。今冷静に考えても煮干しみたいに疲れた雑誌という表現が理解できないからな。あと独特な角度から車を眺めている夢を見たけどこれは忘れた。斜め左下から平均台の上に乗っているような車を眺めていたというところだけしっかり覚えている。起き抜けには、誰も風呂に入ってないみたいなのでその隙に海岸でちょっと前に拾った石とかコップの泥を落とそうとしていたのだが紙製品が混じっていたのでそれは捨てることにしたしそうこうしているうちに家族が風呂場に入っていったのでおい台所使っているのに風呂入るのかよと思う夢を見た。台所で石の汚れを落としたことなどほとんどないんだが。一番最初に石を拾ってきたとき、どうすればいいか分からなくて台所で洗いかけたら、予想以上に汚れが出て、ああこれは台所じゃまずいなと思って外で洗ったのが台所で石を洗った唯一の経験だ。
インターネットは不思議なのでときどき過去の話題が盛り上がったりする。今回もそれかなと思ってたんだけど、なんか過去に日本国籍を捨てた男が嫌いだと言ったのは日本の文化すべてではなくて、日本の「従順な」文化だったんだよ、という話で盛り上がっていた。それでもネガティブな意味合いじゃないか? 文化全体じゃない、文化の一部にうんざりしたんだとか、この言葉はそういう意味ではない、辞書的にはこうだというの、本人が言ってるわけではないが、こういうのって国会の答弁でよく見るなという感じではある。まあ一部だろうが何だろうが日本の文化が嫌いで国籍を捨てたひとと、日本の文化が好きで国籍を得たひとがいて、どっちがよく見えるかなぐらいの話であって、日本のいわゆる従順性が否定されているというのもまた大げさなのではという感じがした。日本が好きで日本国籍を取ったひとがいるから日本はこんなに素晴らしいんだって反応したらキモくないか? なんで逆なら素直に受け止められるんだよ。
今日は雪が降ったり太陽が出たり曇ったりしている、結局今日の天気は何なんだろう。雨雲的には出かけられないが、今日はそもそも出かけないつもりをしていたので怒ったりはしない。なんかさあ、「くしゃみや、笑ったときに、つい漏れてしまう」とはっきり言うタイプのCMってあるでしょ、あれのせいで、中年女が笑ってるのを見る度に「こいつひょっとして……」という疑いが生じてしまってつらいんだよね。はっきり言わなくていいのにはっきり言うCM、小林製薬だけかと思ってたんだけど最近別のCMでも見かけるようになったし本当にひどい、視聴者がメシ食いながらテレビ見てる可能性も考えろ。今日は出かけなかったのでインターネットニュースも完全に読み切ったし、人様に頂いた本も読み終えることができた。そういう面ではいい日だったな。
セフレこと世界ふれあい街歩きはペルー・クスコ。マンコ・カパックに大いに期待が持てる。まず新市街? を通って旧インカ帝国の入り口へ、滝がある広場で女子中学生が「ウィスキー」と言いながら卒業写真を撮っている。ハイチーズみたいなものらしい。観光名所はたくさんあるらしく、マチュピチュとか言ってる奴もいた。次に南米っぽい音楽のかかった市場へ向かう。ここは黄色い果物が多く、チリモヤ・ルクマ・トゥンボといずれも聞いたことない果物が並んでいた。果物の中身を舐め取るおばさんを見せてくれなくていいんですよ! ちなみに嫁泣かせという芋があって、ブドウ状で皮を剥きにくく、剥けないと結婚できないという言い伝えからそのように呼ばれているらしい。アンデスのあたり芋だらけってのはさすがに知ってるが本当に種類が多い、石みたいに固く乾燥した芋は水で戻して食うらしい。続いてサント・ドミンゴ教会、砦みたいだが昔は神殿だったらしい。ここには入らず、道の真ん中にある溝にフォーカスしたあと、なんか入り口にマチュピチュとか書いてあるガラスで囲われた遺跡に入る。ここで管理人みたいな学者が出てきた、この場所は皇帝パチャクティの宮殿であって、なんちゃらユパンキなどとも言っていたが聞き取れなかったが、とにかくジジイは、インカ帝国がスペイン人に滅ぼされたという事実からスペイン人の悪口を言っていたのだった。隙間だらけの壁がスペイン人のものという話で、実際にその壁を見る。ここでクスコの歴史! 来たぞ!! おっこれはコリカンチャのインティライミか?? などと興奮していたが、なぜか最後までマンコ・カパックの名前を出さない。これは不自然だ。アンデスの芋が~太陽を崇めていて~壁がすごくて~でもスペイン人に滅ぼされちゃいました! という内容で、インカの歴史と言いながら初代皇帝マンコ・カパックのマの字も出さない最悪の歴史コーナーだった。おれの期待は粉々に打ち砕かれたよ。で、聖母マリアのお神輿を大聖堂に運ぶところから街歩き再開。広場にインカの末裔がいたのだが、インカの末裔もダウンジャケットを着るぐらいの寒さであるらしい。その割に半袖のやつとかもいる。で大量のグラサンを運んでるひとがいるような地区に出ると、ちょっとだけ厳かな建物が。実は昔スペイン貴族の邸宅だったもので、今は国立の美大になっているらしい。中へ入ると美術品の修復をしている。修復した場所が分かるように点描にしてるのとかは通常のテクニックなのかな? グルメコーナーではキツネのチョコレートなどを紹介していたが、料理名ないのかと思ってしまった。芋で肉を包んで焼く料理とか普段から食ってたら死ぬほど太りそうだな。実際ムキムキのひとが多いが。街歩きに戻るとガキがボール遊びをしている。そして再び商店に入ったが、軒先に吊るされているのはリャマの胎児のミイラ。あれ前もリャマの胎児だか子供のミイラ見たことあるぞ、また同じまじないの話か? つうかリャマの胎児のミイラはよくてマンコ・カパックはダメなのか?! 予想通りまじないが始まり、呪術師はずっとコカの葉を噛んでいた。コカの葉を噛んでいると空腹や心配事を忘れるんだとか、そうでしょうねえ……。おいコカの葉はよくてマンコ・カパックはダメなのか?!?! で呪術師のもとをはなれて、インカの時代には貴族が住んでいたサンクリストバル地区へ。中庭のある四百年前の家に入ると、すごい勢いで犬が駆け込んでいった。しかしその後犬の描写はなかった。中にはでけえテレビがあり、調度品もそれなり以上のように思える、金持ちっぽいな。民族の誇りからだろうか、部屋からはインカの石がゴロゴロ出てきていた。昔は調理に使っていたものもあるらしい。この街はすっかり観光地化してしまって物価が上がり、周辺はお土産屋ばかりになってしまったため住民が離れていってるらしい。悲しいね。寄り道コーナーはマラスの塩田、これ名前特徴的だから絶対前も来たことあるぞ!!! マラスの塩田の塩はマラ塩かっつってな、だから記憶にあるんだ。というかマラスの塩田はよくてマンコ・カパックはダメなのか!?!? オーイまじかよ。海だったとかなんだとか完全に見たことある説明が入ってきたので、ああそうだねと思った。しかし天竺鼠用の塩なんていうものは始めて知った。実際ある民家に入ると天竺鼠がプイプイ鳴いていてかわいい。ここでその塩を餌としてばら撒くシーンなのだが、乾燥した牛のキンタマ天竺鼠が食べる塩を入れているというすごい情報が突然入ってきたので興奮した。おい、字幕ではっきりキンタマと出てきたがキンタマはよくてマンコ・カパックの何がダメなのか!?!?!? マジで意味が分からん。ちなみに染色にも塩を使っているらしいし、実際現地で買うマラスの塩は一キロ八十円ぐらいらしい。街歩きに戻り、坂を上る。明らかに締めにかかっている。絶景の中で結婚用の写真を撮る奴らがいる、相手の魅力的なところ聞いてるのに「魅力なところですね」って変な会話をしている奴らがいた。そしてもう夜。夜道にはインカの民族衣装を着た男がいて、石の壁を守っていた。以上です。良かったと言いたいところだがマンコ・カパックの話を避けに避けていたので最悪。