面接でネチネチと、親切なフリして根掘り葉掘り、ひとの家庭事情に深く足を突っ込むようなことばかり聞かれたわけです、厳密には面接があったのは昨日の日付なんだけどマア書き忘れていたのでここに書くんだけど、社長っぽいひとと面接する、その部屋が事務の部屋と一続きになっていて、事務のひとたちはパソコンの横にマスコットを並べておそらくは画面の色合い的にはネットサーフィンすらしながら仕事をしてるという状況でちなみに工場（コウバ）の方ではひとがゴミのように一生懸命働いてる姿とまるで一致しないそのような部屋と一続きになっている応接室に通されて繰り返しになるけど社長っぽいひととエンヤコラする。社長っぽいというのは明らかにえらそうだったし、女性（しかいない）事務のひとりを下の名前で読んでいたことからも家族経営なんだなあという予想が立ち、家族経営といえばまったくいい思い出がないというかつい最近までそういうところで長らく努めてスパッと切られたわけだし嫌な予感しまくりなところへ家族の関係やプライベートなところを掘ってくると来た。
で、バイトの時間はフルタイムではなかったため、なんかすることあんの？ などと聞かれるし、あんまり人前で言わないけどなんにもしない方向で話が固まりそうで非常に癪だったので川柳書いてますけどと申し上げたらあの面白おかしいやつかみたいなことを言われてイライラするというのが今日の話の軸で、そのあと違うんだという話をしてもでも世相は反映してるんだろとか見当違いの決めつけを返してくるのでハハハと笑って話を終わらせた。
趣味は○○です、と答えたときに、それはどんな？ と聞いてくるんじゃなくていきなり決めつけてくるというのは結構あることで、例えば川柳だったらほぼ100%サラ川のことだと思われてるし、例えばそれはアニメだったらモエーってあれか、と言われるようなものであり、ヒップホップであればチェケラッチョーってアレ、そもそも音楽であれば邦楽であることしか念頭にないようなアレ、ああいう決めつけをするひとは多分義務以上の趣味はないんだろうし発展的じゃないから話しても無駄だとは思うけどもそういう決めつけがあるのは悲しいし多分永遠になくならない。川柳が好きなのは間口が広いからだし音楽が好きなのも間口が広いからだし、おおざっぱでちゃらんぽらんでも川柳であれ音楽をしているということになる、間口が広いというのはそういうことなのに、その広さで受け止めたサラ川とかドラマ主題歌みたいな商業的な、広い海に上がった死体ばっかり目につくもんだからまるで川柳といえばサラ川がすべて、音楽といえばドラマ主題歌がすべてといった風になる。ドラマ主題歌だというのはチト絞りすぎな気もするけどどのみちCMとか有線で流されてるものも含めるぐらいであとは大した差はないんでその音楽でいえば趣味の共通がない誰かに音楽を聞くと言った場合は十中八九邦楽であると受け止められ、残った少ない割合のほとんどでも洋楽としか受け止められないわけだ。クラシックと言えばまだ通じるものの電子音楽はテクノと言わなければ通じずメタルはヘビメタと言わなければ通じない。まして民族音楽と言えばまったく通じないどころか、そんなものを聞いて何が楽しいのかという原理的な部分の説明を、まるでジジイが山に登る理由を問われるように求められる。つまり、そもそもが歌詞の付いてない音楽というものは、クラシックぐらいは別格で、あとはほとんど理解されない。それは音楽よりもまず歌詞を認識しているからで、そのために邦楽（日本語の歌詞が付いてる音楽）と洋楽（英語の歌詞が付いてる音楽）という分別がなされる。持てる知識でふるいにかけて残った可能性をすべて決めつけていくというわけである、それは私に分かる音楽のことを言ってるんだよね、という意味を隠して決めつけを行うんである。それは何も音楽に限ったことではないし、川柳もそうだし、詳しくないことについては言及できないけどおそらく他の間口の広い何かにも当てはまることだろうけども、そういった間口の広い趣味はいっとき商業的な一団に占領されるともうどうにもならないんだろうなあと思ってるし、諦めてる。諦めてるけどそれでも、決めつけられた義理はないんじゃないの、ぐらいのことは言ってもいいはずだよな。
という不快な思いをしていたものの明日から来てくれという甘い言葉に引っかかってその明日である今日にバイト来たらあの事務室のヤバいぐらい笑い声の絶えない事務室、とは国境があるんじゃないかと思うぐらい狭くて寒い室内で無言で箱詰め作業、しかも早起きという最大級のプレッシャーの中で過去に経験したことないほどの疲れをためて帰ったのでした。帰ってきてブックオフと酒屋に行ったけどあまりおぼえてない、一応明日に備えてコーヒーを少し買っておくかという感覚で安い缶コーヒーを買ったのは覚えてるけど帰ってきたらもう次の日のバイトのことを考えてボンヤリしてたのでこの日が二番目にやばかった。あと通勤途中に聞いた曲全部嫌いになりそうだったのもやばかったな、早めに辞めて良かった。
