ぐ戒

家族が旅行の用意をバタバタとしていて旅費の大部分は親戚のおじさんが貸してくれるんで出かけるまでに車で来てもらえばいいんだけどよく考えたら一万足りないしジャージあったけど帽子がないしと部屋をひっくり返すように探していてあったと喜んでいたのに本当の色はもっと強い灰色だよって言ったらエーッて言われたしかぶったら帽子の色が移って思いつめたような顔になるよと教えたらさらにエーッと言われたので後ででかけた古着屋の前で衣服の色が表情に移るってどんな感じなんだろうなと想像する夢を見た。メチャクチャなようだが意外と覚えているもんだな。古着屋の前でボーッと想像していたとき、なぜか古着屋の側から、しかもちょっと斜め上からじぶんを見下ろしているような視点だったのを覚えている。これが正午過ぎの起き抜けの夢。まあ本当に姉が東京へ旅行に行ってるのでこういう夢を見たんだろうね。あとラーメン食ったあとウトウトして、じぶんで作ったホテルにじぶんのビジネスであぶれたひとたちを次々と収入する経営者はズルいなと言う夢を見た。これさあ、舛添のニュースの影響をモロに受けてるよね。こんな政治的な輩だったのか、おれは。
世間はゴールデンウィークだそうですね。おれが言えることはみんなせーので辞表を提出して明日からのゴールデンウィークにダイヤモンドの輝きを添えようねというぐらいのことで、おれ自身は永遠のゴールデンウィークというか、永遠の冬休みの時空を漂っているわけだ、ニュースは地震のやつばっかりでそろそろうんざりしちゃうタイミングだな。江戸の頃は金持ちがダメージを受けて大工が儲かるので地震は富をもたらすぞワーイみたいな風潮があったんだけど、現代でやったらぶっ殺されるんだろうな。でもそういう底抜けの明るさが半分ぐらい必要だと思うんだよね、現代はちょっとモラルの締め付けが強すぎて呼吸さえうまくいかない。無学なおれがなんでそういう昔の話を知っているのかというと、以前小判を尻からひねり出してる浮世絵のようなもの(鯰絵)を見つけて、なんじゃこりゃと思って調べたからだ。その状態がもはや地獄のようだが、簡単にまとめると、金を貯めこむな、使え、という趣旨だし、それ自体は全く正しい。今のこういういつまでも喪に服しているような、いつまでも気の毒がっているような、いつまでも壊れた家だけを映すような報道姿勢は良くない、画面の端とかに割と普通な家が残っているし、実際の調査結果でも最悪の場所ですら四割ぐらいは無事な家が残っているので、クローズアップしすぎるのもちょっと良くないなと、最近はうんざりしてるから特に強く思っちゃうんだよね。
しかし貯めこまずにお金をつかうのはまったく正義だし、おれはバイトしてるときお金を使いまくったので尊敬されてしかるべき人物だよ。とか考えていたら気温がグイグイ下がってきて、おれのテンションもグイグイ下がってきたし、キツいので開けていた窓を閉めた。この頃には本を読んでいたんだがあまりに寒いので堂々とフリースを着た、もう五月になるっつってんのにな。しかもそのせいで湿度が大変だし、それで膨れ上がってしまった、癖毛過ぎる髪の毛のせいでヘアバンドが内側から折れたので、おれの頭髪が申し訳ないことしたねと思いながら捨てたし、良かった気分を状況が壁際へ壁際へ追い込んでくる。ときに今日は出かけるつもりが、雨により当然ゼロだったので、インターネットニュースを長々と読んだ挙句、揉め事も読んでやった。
あとコーヒーも作りまくっちゃったな。後でまとめて掃除するから最初のコーヒーを作ったときはコーヒープレスを放置して、次にコーヒーを作ったときにまとめて洗った、これはこういうときじゃないとできない芸当だな、時間の節約にもなる、プレスは本当はすぐに洗うのがベストなんだけど、シャレオツ体験から言えばしばらく豆が残留したまま数時間ぐらい机上にあることも珍しくないわけだし、一時間半放置するぐらいヘッチャラもいいところだろ。これ、後で使ったプレスは以前からあるプレスで、最近注ぐ湯の量を、コーヒーの挽きを一定にすることで調査していたわけなんだが、どうも三の表示がされているカップの上の線ぐらいでいいみたいだ、ということがわかり、この文章はおれにしかわからない。飲み物といえば明日休みだからルール上酒が飲めるよね、ルールに従うとゴールデンウィーク中ずっと酒びたしになってしまうからそんなアホみたいなことはやらないけど。今日も結局酒を飲まなかったよ。その分コーヒーを飲んだんだよね。はいはい。