ぐ戒

旅行同行者の女が旅行の用意を家に取りに帰るというので家の前まで付いて行ってそのまま家の前で待ち続けるのも何だから近くの商店に入ったらそこがまさかの昔のバイト先でしかも最近再びそこでバイトし始めたことを今このタイミングで思い出してどうしてせっかくまた雇ってあげたのにバイトをすっぽかし続けるのかと怒られたのでこの度は誠に申し訳ございませんでしたと平謝りしたが相手側の怒りが一向に収まらないようだったのでもう逃げるしかなく店の外に出たらニューヨークになっていて向こう側から鍵がかけられて完全に日本に戻れないしさっき旅行の用意を取りに行った同行者はドアの向こうから肌着だけを投げ込んでくるし肌着を身に着けただけの格好でどうやって生きていけばいいのか分からずひたすら絢爛豪華な街並みを歩くも全員が英語しかしゃべれない外人で途方に暮れる夢を見た。ニューヨークは絢爛豪華さが際立つような夜だった。あと、学校行事のような気軽さでみんなで宛名書きをしていて漢字のひとつが思い出せなくなってしまい字典を引きつつ調べていたところ一番最後にシャーペンのプレゼンをすることになり練習もそこそこというかまったく身につかないレベルで先生の前に放り出されてふたりでプレゼンの勝負をするような形式でおれは後攻だったので相手のプレゼンの内容も聞かずずっと漢字の練習をしていたが結局本番でも書くことができずなめらかでとろけるような書味ですと言い実際に書いてみせることぐらいしかできず見かねた先輩たちが先攻の相手のプレゼンがちょっとおかしかったんじゃないですかと先生や相手に突っかかることでようやく漢字は書けるようになったがあえなく時間切れとなってしまい先生は相手のライカのシャーペンの方が商品としてもプレゼントしても良かったと言ってきてそれは当たり前だなあとあきらめてたけど今日は宛名書きの作業をおれが卒業する日なので今までもらったおひねりなどを鞄に詰め込んでもらいじぶんの荷物を全部まとめてそれでもしばらくは友達と話していて次回の世界ふれあい街歩きは日本とかいう極秘のアナウンスが流れてきたのでそれは世界じゃねーし極秘でもねーからみたいに大声で突っ込んでゲラゲラ笑っているところにそのナレーションを務める矢沢永吉がバックバンドを引き連れて正面玄関をぶち破ってきたので逃げるように後ろのシャッターに付いたドアから出ると外ではなくまだ工場の中のような暗い通路だったしヒゲの痩せた男に誘導されつつ出口から出てみるとそこは東京でこないだもニューヨークに飛ばされたのになあと感慨深く思っていたが東京の地理はまったく分からず有名芸能人の後に付いて行けばターミナル的な場所には出るやろと思っていたのに信号無視をして走っていったのでまったく追いつくことができないしいつの間にか横で有名芸能人を見つけてくれた女もいなくなっていて完全に危険な地域にひとり取り残されてあちらこちらでカツアゲが行われているなか目を盗むように裏路地へ逃げてこういうときいつの間にか胸に抱えていた十六億円がなければもうちょっと安心できるのになと十六億円を渡してきた家族を憎みながらそれを隠すように前屈みに路地を右に曲がるとグランドキャニオンみたいな地形に無理矢理街がめり込んだような赤い地形が露出していてその先にはスターバックスが見えたので都市的な部分がまだ残っていると喜んで向かえばテレビのロケ隊もおりこのひとたちなら中心部への行き方を知っているだろうと近付くと警察と揉めていたしここで閃いて普通に警察に聞けばいいじゃんとそこの婦警に話を聞いたところなぜか郷里には電車で帰っていますという話になりそうではなく駅の場所を聞きたいと言うか言わぬかのところでエスカレーターに巻き込まれブスが地下から湧き出ては戻っていく特殊な装置であったがなんとか出たところ雲仙新聞という青地に白の文字が飛び込んできてそれがどこにあるかといえば自宅の台所だし発行所は福井になってるし今は四月なのに二月十七日の夕刊のお試し版が届いていてこんなの何の役にも立たないじゃんと思う夢を見た。長い夢だった。よく覚えているし大して怖いこともないし本当に良い夢だった。短い夢を先に書いたのは、明らかに、ニューヨークに前行った、の部分が短い方の夢を受けていたからなんだよね、断絶があるだけなんだろうけど、ここだけは動やっても思い出せなかった。ところでこの後半の長い夢は午前十一時に突然目を覚ましたときに残った夢だった、別にアラームが鳴ったわけでもトラックが通ったわけでも、近所で工事をしているわけでもないのに突然目が覚めたので大量の夢を書き残すことができたってワケ。
提示に寝坊して起きてラーメンを食っていたら既に午後だった。なんとなくパソコンを付けてなんとなくニュースを読む、朝おおっと昼特有の目的地の見えない旅。なんか飯炊き仙人が中国に招かれてうんたらかんたらみたいな記事を読んだけど、ヒゲだけで仙人と呼ばれている可能性が100%ぐらいあってめちゃくちゃ良かった、パーセント表示のためにアラビア数字を使わせていただきました。いつも他人がコーヒーの焙煎をしているだとか生豆を売ってる様子を見るとなんとなくコーヒーの焙煎に興味が出て調べたりしてみちゃうんだけどいつも絶対に必要ないという結論が出るからもうやめたい。焙煎は本当に手間と掃除、そしてそれを合計した時間がすごい、その上焙煎してからすぐより三日ぐらい経過した方がおいしいとか書いてあるところもあり、そんな計画的に人間は生きられないんだよと考えに考え詰めてハッとして焙煎の検索をやめるという一連の行動が完全にパターン化している。とにかく焙煎に手を出したら終わりだ、金持ちならコンパクトな電気式ロースターでも買うけど、カネがない我々が無理をしたところでその分時間がかかるだけなのだ。
ブックオフの方面にお出かけしたが特にブックオフでは買うべきものが見当たらなかった。それで引き返して、いつもの酒屋でタイのクラッカーとUCCのSPブレンドを購入。別にUCCとかどうでも良かったけどパナマ文書によればタックスヘイブン使ってるっぽいので一度タックスヘイブンの甘みってものを味わってみたかったんだよね。コーヒーといえば雨だが雨といえば気温であり、金曜日にかけて気温がグイグイ下がって来週またドカンと上がるという様子を確認してしまい、体調が気になってしまった。足で踏ん張ってても体調ぶっ壊れるかもしれないな。そんなことを考えながらしっかりと掃除をして、まったりとコーヒーを入れた。ついでだから地元の古書店の休業日を調べようとしたけど、普通に営業中なのにサイトを更新してないせいでいつまでも良い年をお迎えくださいモードになっててアホみたいだ。こういう細かいところに手が回ってないと残念な気持ちになるよね。古書ついでに国略コレクションで金沢市史についてた地名の本を見ていた。オージャラっていう謎の地名があるんだけど、そのジャラっていう名前、当て字通り蛇落でザレ系列の崖のことだと考えていたんだ。ところが中平=ナカンジャラっていう読み方が出てきたし、オージャラも大平の可能性も出てきて、これで平の方が当て字だったらもうわかんねえなと悩んでいた。
その影響を受け、深夜は完全に国デジ漁りマシーンになっていた。これじゃいかんいかんと気を引き締めて、溜まっている本を読み始めたんだけど、これがなかなかにお硬い序文だったので、グーッと力が抜けてしまった。おれはお硬い文章が嫌いなんだ。じゃあまんが読んどけって話になっちゃうよな。いやあお硬い文章も好きなんですけど、いかんせん学生の頃古文の授業では確実に寝ていたという、学問に対する敬意のなさが今絶好調に祟っていて、率直に言うと眠いんだよね、でその眠さを我慢、できないこともないが、我慢すると今度は脱力しちゃう、読む気がなくなっちゃうというワケ。昔は地元に村立図書館があったなどという記事を読んでる地元の死刑場跡どこにあるかまったくわからんとりあえず江戸時代に悪いことした奴が地元で生胴という強力な死刑を食らっていたという史料を読んだので近所の死刑場を探していた