ぐ戒

いつの間にか服が脱げていたので着替えたかったけど適度に身を隠せる場所がないし黒人の住むスラムに行ってみたら意外と気のいい奴らばっかりだったけどスラムなので部屋がないしみんな本棚みたいに玄関が削ぎ落とされた箱状の縦長の集合住宅に住んでるから知り合いがいるはずの豪邸に潜入したところ撮影がちょうど終わったみたいでさっきの外人俳優かっこよかったねと話しかけられたしそうだね日本人的な物腰だよねと適当にかわしつつ一室に入ったらそこにいた用務員のおじちゃんに服が脱げてることを心配され自身が今着ている花柄の薄汚れたシャツをよこそうとしてきたのでおれが持参した着替えも花柄だと言い返す夢を見た。おじちゃんの汚れた服を着たいひとってあんまりいないでしょ。そのひとより年上の男なら着る可能性あるが。服が脱げる前、自転車に乗って石棺みたいな都市を走っていたはずなんだが、その周りは詳しく思い出せない。自転車に乗ってるとどうも他の夢と混合してしまってダメだな。ちなみにこないだ図書館でウトウトしたときは単なるみかんが出てきた。起き抜けには、ロックマンを操作する指の繊細さでファイルをつなぎ合わせてカラオケにして番組内で流す夢を見た。これはロックマンの水のステージなどで時々要求されるジャンプの繊細さを表現しているんだけど、どうしてそれがこのタイミングで表現されたんだろう。多分、ソフトタッチのうまい表現がおれの頭のなかにはこれしかないからだな。
起きてからしばらくの間、ベトナム語の画像に日本語の訳を付けていたら時計の針が尋常じゃない動き方をしていて、結局のところ出来上がったのが二行分ぐらいのテキストだったので、おれにはもう何も成し遂げられないんじゃないかという気がしてきた。一番困ったことはこの作業がすごく楽しいということだ。なんでこんなどうでもいいことが楽しいんだ? とにかく雨予報は日曜日に前倒しになってるし、それ自体はものすごく嫌だが、天気だから仕方がない。その分今日はしっかり出かけなければならないという決意を新たにインターネットニュースを読み終えた。世界は平和だったので特記事項なしという力強いアウトプットを得た。
というわけで今日も今日とて街の方面へ向かう。ガレージを漁ったら戦国時代の村の本があったので一冊購入、買うつもりはなかったがおれはこういう時代の村人とかが本当に好きなんだよね、本は一切読めていないが……。そのあとは魔界図書館で異世界の書を抜き書きしてきた。多分これオンリーになりそう。なりそうというか難しい本なので、日記を書いている今でもまったく終わる気配ありませんからね。帰りは雨がポタポタ降っていたけど、雨具は常に持っているので難を逃れた。いや逃れてはないか。難を防いだ。帰宅したら案の定暗かったので先にコーヒーを作って、それからパンと一緒にスピリタスを飲む。こういう着席後の数分ってとっさにやることが思い浮かばないからインターネットニュースを読むんだけど、五ヶ月ぐらい漂流した女冒険家が投げキッスで助けを求めたという話を見て、余裕あるな、さすがアメリカ人と言うべきか、と思ってしまった。ちなみに後日談としてこの女(たち)が救難信号を発信した形跡がないし怪しいみたいなこともニュースになっていたが、所詮海外ニュースなのでそれ以上の進展は確認できなかった。酒を飲んでいるということはつまりストリートビューをするということだが、今日はまた一段と重い。
夜、ご飯を食べながらTVを見てたら、中国の山奥に住む謎の民族・イ族についての番組が始まったので興奮してしまった。ところが謎の民という割にペットボトルとか持ってるしサイテーだった、おいおい幻滅させるなよ、どこから拾ってきたんだ? イ族の風習でニワトリが雑に殺された上、切れ目を入れられて笛のように吹かれている様子が放送されていたが、まあかなりグロかったですね、おれは風習は大事だと思うけど突然グロい映像が流れるとさすがにビビるんだよね。グロいといえばベトナムニュースも急に傷口とか出てくるし、ちょうどいいやつはないのか、ちょうどいいやつってなんだ? 壊れた車だけ映るとかか? と思って検索してみたら、詳細は不明だがベトナムでは走行中の車を武器で破壊するバイク乗りがいるらしくて、その動画を見たら本当にこの説明通りのことが行われていた。しかしベトナム語のまま事件をユーチューブで検索すると大体エグいサムネが引っかかるな、まあそれはカンボジアもタイも変わらんのだが……。ところでベトナムの公式テレビのニュースサイトっぽいのに別のベトナムのテレビの著作権を侵害してるとかでユーチューブ動画が削除されておりアツいというか意味不明だった、いや意味不明というかユーチューブの自動ブロック機能が完全に狂ってるだけだろうけど。ユーチューブの自動ブロックがおかしいと思っているのは北朝鮮のテレビ映像をそのまま流しているような動画が、なぜか明らかにオリジナルではないフランスのテレビ局の著作権侵害で消されていたりするからだ。