ぐ戒

鹿児島から帰る途中下関あたりで鹿児島の平屋の小さい家にかばんを忘れたことに気付いて取りに行ってたら昼飯に間に合わないからやめてる矢先下関の良いババアからとてもよくしてもらい鹿児島の名産を一度食ってみたいけど無理しなくていいというお願いをされたのでここまでされたら取りに行くしかないだろと引き返しつつここから自宅に電話をかけたらお金どれぐらいかかるんだろうな携帯電話も持ってないしと不安を募らせる夢を見た。これ特にババアが本当にええババアだったのですごく強烈に覚えている、どうして九州地方にいるおれが石川県の自宅の昼飯の時間を気にできるのか仕組みはまったく分からないが、ああいうええババアがいるええ田舎みたいなところになにか強い憧れがあるんだろうな。でも実際言ったらコンビニとかないよ? そうだね。起き抜けの夢はスーパーで百円に値下がりしたお菓子を四つおまけのカレンダー目当てに購入しようとしたが三つしかおまけが揃うレベルで存在しないので残りの一つをあんこをサンドした全粒粉のビスケットで我慢する内容だった。このあんこをサンドした云々ってやつは、その時にしるこサンドのパクリかな? と考えていたことからもはっきりしているがしるこサンドのことを頭にかすめさせていたのである。これもしばらく食ってないから身体の奥底が深く求めているのだろうか。でもそんな汁粉感ないよね、しるこサンド
十二時半に間違えて起きてしまったので先に朝ごはんを食ったわけだがまたこれをやってしまっているのかという後悔、諦め。完全に昼に起きることが癖になっていて堕落しきった以前の生活に戻っている気がするが午前中に起きていた頃は堕落していなかったのかと言うとそうでもないし判断が難しい局面ではある。こういう状況をまとめて「マズい」と表現して放置しておいてもいいんだけど、朝起きた時に十時半辺りにセットしてある目覚ましを全部切ってるのが特にヤバい、ということを明記しておかないと反省の機会すら失うことになる、起きた直後は寝ぼけててちゃんとした行動が取れないはずなのに目覚ましを全部切るという明らかに睡眠時間を伸ばす用途でしか使えない行動だけはしっかり行われるとかマジでエネミーだろ。なんなんだよ。おれはいつだって戦う用意ができてるんだぞ。
昨日までの雪で路面がむちゃくちゃだから、出かけられるようになったら食おうと思っていたパンを食ってた、一切出かけられる天候にならないのでね。ところが太陽が少しは出て、しかも気温がほんの少しだけゼロ度より高いために、家の前の雪などがあらかた解けていた、これはチャンスというものだ、チャンスを捉えて出かけないなど愚の骨頂だし、ちょうど今ほどパンを食ったばかりなのだから、防寒対策をしっかりして出かけることにした。
河川敷はまだ雪が積もっているんだろうなとか、新竪町という街から更に離れたところでしかし自転車で向かえそうな場所に移転した古書店にまだ移転後一度も行ってないものが今日もまた行けなそうだなーなどと考え考え自転車を漕いでいたら大通りが信じられないぐらいビショビショ。融雪装置が過剰に働いているもんだから路面が全部池のようになっておりそこを車が猛スピードで通り抜けるもんだからむしろ雨の時よりも激しく水を撒き散らしていくためズボンと靴がビショビショになってしまったのであった。なんだよあの車どもは。すげえ昔のCMで水たまりでは減速するなどして歩行者に水がかからないようにしましょう、温かい社会をみんなでつくっていこうね、みたいなCMがあったやつ、あれを今放送するべきなんじゃないのかと思えるぐらい誰一人として水たまりがあるから徐行みたいなことを考えてない、とにかく前進することが最大の使命であり、水を巻き上げてもそれはじぶんのせいじゃねーからみたいな車が我が物顔で車道を占領していたため、おれが徐行するハメになり、結果活動時間が失われた。
ちなみに古書店で買いたいものは特になかった。これは特に悲しくないが、おれが(中退した)大学に通っていた頃あった古い風情のある喫茶店が完全に取り壊され風情もクソもないシャレオツな飯屋が爆誕していたことはとても悲しかった、まあ所詮人間が生活してる限り街も有機物なのでしょう、手術でいらない器官が摘出されたんだ、と考えることにした。話を戻して古書店で何も買わなかったわけだが、その安心感がアマゾンでの検索を後押しした、つまり、街で何も買うべきものがないのだから、安心してインターネットに買うべきものを求められるという安心感に満たされてしまったので、欲望は果てしなく人生は長い。