ぐ戒

生命の粉が大袋で余ってしまったしこれを持ったまま帰宅したりウロウロしたりすると危険であり重たくもあるのでどこかで引き取ってもらうかあるいはおれを匿ってもらうかするかと考えてまず良さそうな神社に相談してみたのだがそこは神様の格が低いとか規模が小さいという理由で受け入れてもらえず代わりにもっとでかい神社を紹介されたのでどこだろうが生命の粉というものは怪しまれるだろうなと考えながらそちらの方に向かってみると門は開いているものの衝立のようなものがあって外から気軽に中の様子が見られるわけではなさそうだったし門前にもひとがいなかったのでしょうがなくズカズカと敷地内に入り込んでみると社殿の奥に白装束を纏った若い男がいてちょっと匿ってほしいんですがと持ちかけてみたところ案の定その粉はなんですかと言われてしまったので二袋あるうちの片方は塩でもう片方は生命の粉ですなんというか砂糖を混ぜたタンパク質のようなものですよと説明している傍らで占いをやっていて女子高生がひっきりなしに訪れていたのだがそれは机の上に札を並べて空中からコインを落としそのコインが触れた札に書いてある内容を読み上げるといったような至極単純なものであれは若い女を手玉に取ってるだけだなと思っていたら相談していた若い男がちょっとわたしでは判断がつかないのでと相談に立ってしまいしばらく待ちぼうけを食らわされたのだがそのうちに障子戸の隙間から別の若い高校生のような男が同僚の女に向かってあの眼鏡の芸人嫌いなんだよジャニーズを馬鹿にしたからと文句を言っておりそのまま帰っていったのであいつはバイトってことかなと考えているとなんかここの主というか神主というかボスのような婆さんがやってきたので改めて生命の粉の説明をしたところ話は聞いているわよと返されて粉はともかく匿ってはくれるらしかったので案内されるままについていくと神社の雰囲気とは違う和室に案内されてなんだろうこの婆さんの孫の部屋だったのかな今はいないようだけどと考えていたらとりあえず金土日は働いてもらうわねと言われたのでエッ匿ってくれるという話ではと返事したのだが聞こえてないフリなのか実際聞こえてないのかまったく無反応で布団を敷き始めたので布団があるなんてありがたいですと褒めていたら敷き布団は用意されなかったしとにもかくにもこんな黴臭いところで潜伏することになるのかと意気消沈していたら婆さんはそれじゃと部屋の明かりを消していったのでもう寝るのかよと思って時計を見たら午後七時だったしどう考えてもこの生活リズムは無理だし夜更かしをしていたあの頃に戻りたいとさらに暗い気持ちになっていたら本堂の方ではもうそこに住んでいる若い男女全員がその床を埋め尽くすように布団を敷いて全員寝ていたし一応おれは別室だから特別扱いだろうと再び部屋の明かりをつけてみたら一応部屋には古いテレビがあったけど音はよほど小さくしないと出せないだろうし笑い声も上げられないだろうと思われ古臭いゲーム機もあったのだがこんなものは無音でなければプレイもできないだろって感じだったのでしょうがなく漢字辞典を開いて漢字の読みを変えるひとり遊びをしていたのだが完全に無理だったので改めて部屋の外を覗いてみると明かりが漏れていてどうも婆さんの息子のおっさんが帰ってきたらしかったしこいつは神社のルールに従わなくていいのかと妬んでいたらなにか婆さんと取引を行ってきたというような怪しい話をしていたしゴソゴソ音がしたので帰ったのかなと思って外を見るとまだ午後十一時だったのに空は朝のように明るかったし本堂からカチャカチャと音が聞こえてきたので見てみるともう朝ごはんの準備を始めていたのでなんだろうおれの分もあるのかなと部屋を出てみたら黒い小太りの男が襲ってきて一回殺されてしまったし遅れた形でおれと契約している悪魔がやってきて男を倒してくれたしおれはおれで悪魔と契約している限りは不死身なので立ち上がり警察を呼んだのだが当然神社は大騒ぎだし男から無限に流れてくる真っ黒な血液に警察も動揺していたので混乱に乗じて脱走したのだがもうあの部屋で作っていた物語の続きは書けなくなってしまったんだなと半分だけ折り畳んだセロハンテープの切れ端に残った粘着面をペタペタして遊んでいたら兄から暗号を解いてくれという依頼の電話がかかってくるという夢を見た。これはすごくよく覚えているが、夜更かしできないのかという絶望感が割と強かったので悪夢の部類に入るな。午前十時半の起き抜けには、デブが全開のときの写真を配っていたので全開のときってなんだよ不摂生に全開もクソもあるかと説教する夢を見た。
夢が長過ぎて、思い出して記録しているだけですんごい時間になっていた。出かける予定だが、出かける前にできたことと言えば夢思い出して書いてただけだな~とかウンザリしていたものの、でもまあ夢は楽しいからしょうがないと考え直すことにした。いや悪夢っぽかったっつうの。兎にも角にも生活の予定が遅れたので、全てを抛って部屋を掃除した。その結果部屋はきれいになったが、インターネットニュースはまったく読めなかった。
そんなこんなで街の方面に出かけた。ガレージで数学の入門の本を(また)購入、その後やまやに行ったが欲しいものはなかった。しょうがないので近所の酒屋へ生き、残っていた安売りのポテチを買い占めてきた。買い占めと言っても三つだが。昔算数は好きだったはずという甘い思い出に引きずられ続けているので、何度も数学に入門しようとしてしまう。熱意があるだけマシとも言える。そして酒を飲んだ。なぜ酒を飲んだか、それは翌日が天皇誕生日だからさ。なので、一日の残りがすべて台無しになった。最近ツイッターイラストレーターが投稿しまくりのミニスカチャイナ(服)というの、エロさに重きを置き過ぎてチャイナ服の良さをえぐり取ってる気がする、逆バニーみたいな感じだ。それからヒポエステスがいつ出回るかを調べていた。去年お花屋さんにあったのは確認したが、それがいつ出回るものだったのかと。ネチネチ調べた結果、出回るのは四月後半ぐらいからと分かった。まあそんなにダッシュで買いに行きたいわけではないのでなんとなく覚えておこう。ところでヒポエステスの自然開花は初夏ですと書いてあるが、冬に咲いている。しかも複数咲いているので、意外と家の中は初夏みたいなのかもしれない。そうか? 寒いが。
それではガンガンジョーカーの感想を書きます。ヴァニタスの手記、連載ずっとしてないのに付録がバンバン付くのは何? それと、あとに発表された事情を知らない転校生がグイグイくる。が先にアニメ放送開始で、ラグナクリムゾンはまだ時期すら発表されてないってのも変な感じだな。『賭ケグルイ』、賭け事勝負は丁半の胴元になること、しかしここから賭け事をやるとは、まだまだ展開が長そうだな、本編を忘れてしまいそうだ。家のもん勝手に現金化してる! 邪悪! と思ったけど、どうせ当主になればチャラと考えているのか。なんか出目を操れるらしい? 『事情を知らない転校生がグイグイくる。』、サブヒロインのランドセルのベルトが壊れた。卒業間近だからそのままでいいけどショックは受けてるその雰囲気を、みんなが察して元気づけてくるという優しさ百パーの展開。みんな相談はしてなくて各々でやってるっていうのがナイスだね。美しい話。『勇者パーティーの荷物持ち』、王国側の描写。ヒロインを差し置いてなんか女王になろうとしている妹と、その夫が王位の簒奪者。文句を言うと殺されるという分かりやすい恐怖政治の描写。その魔の手が迫るみたいな流れなので、怖さメインで書かれてる様子だった。『ぼくとミモザの75日』、家族になるという熱意が強過ぎる主人公。おつかいの描写がちょっとほのぼのしてて良かったね。暴力は愛だという暴力団幹部は、まあ暴力団だから変なんだけど、主人公は拳銃を躊躇すると見せかけて撃ったり、本物の家族に近付いていると発言するなど、狂気に触れてるという印象。『そして悪魔は正義を騙る』、新連載。この作者は半ズボン男子が好きだな~。正義を貫く主人公と、悪魔と呼ばれる相手役、こっちが半ズボン男子。舞台は男子校で、冒頭でカンニングを天使に裁かれた生徒がいたんだけど、そのカンニングは他人の罪を被っただけということで雲行きが怪しくなる。その生徒は既に「教育」済みで、天使は何者かに殺され、主人公はその罪を着せられそうという、怒涛の展開。事後のシーンしか描かれない殺人とキスが耽美で良かった。相手役は復讐を遂げるという点にモチベーションを置いているっぽい。『好きな子がめがねを忘れた』、ヒロインの誕生会にお呼ばれして、男ひとりだけ場違い感を覚えている、そりゃあそうだろう。身体が勝手に匂わせをやってるみたいな展開だったのでゲラゲラ笑った。あと主人公が空気を読んで交際宣言するシーンも迫力あった。冒頭の抱きつきもしっかり見られててウケる。サブキャラたちの二次会のノリかわいいね。『龍とカメレオン』、合宿にひとり三十代、場違いっぽさを自覚しているそのキャラ目線。主人公は先に自転車で来ており、アダ名で呼んでしまったため入れ替わりがバレそうになったりもする、昔はライバルだったらしい。後半はいよいよ合宿の内容、斧を持った怖いひとが来て、最下位はブラックリスト入りのペナルティー。三十代は棄権しろと言われ、一瞬しかけたが、主人公との絡みで思いとどまる。この辺が熱血っぽくてとてもよかった。しれっと黒歴史バラされてて笑った。『ミツドモエ生徒会長ズ』、骨折のあとに保険に入りたいという無茶振りに応える生徒会。筋肉の女が解決しにバイクを飛ばし、主人公も乗るという謎の展開を、マグロ漁という強烈なシーンがさらに上書きする。結局筋トレに戻ってて笑った。マグロ料理かと思いきやダンベルを使うのが本当に脳筋。最後の利き腕オチめっちゃ巧みだな。『ラグナクリムゾン』、冒頭の方向性が合わないバンドかよってツッコミがキレキレだった。ともかくそりが合わないと言う、太陽神教は未来に仲間割れするのがその理由。この辺は時間軸がズレてるこの作品ならではだな。その未来を止めるには教祖の死を止めることが必要ということで、めちゃくちゃ煽りに行く主人公、めちゃくちゃ悪者ヅラしてて良かった。『嘘の子供』、娘ではなく動物と理解させられる役所の説明を受ける夫婦。当初から重い話ではあったけど今回は一番重いかも。タヌキも化けた相手が死んでいたことには気付いていなかった様子だけど、そうだっけ? 『履いてください、鷹峰さん』、主人公がこわいひとに殴られた! 勇気を出してマワすって聞きましたよと追い詰める主人公だが、なんかすれ違いがある。ゲームの話も勘違いに一役買っていたらしいが、そのゲームがクマ娘でちょっと面白かった。そしてヒロインの無駄なチャイナ服がシリアスをぶち壊す! この展開から、よく好きだったんだなみたいな結論に行けるな……。『恋愛自壊人形 恋するサーティン』、ピアスで穴を開けさせる先生、フェチズムだな。この辺りのやりとり、耽美だけど謎だ。とりあえずサブキャラたちは予定通りに告白と自壊を試すが、自壊はしない。代わりに横の奴が壊れそうになり何故? という展開。そのために連れてきたのか? 『ジャヒー様はくじけない!』、ジャヒー様分裂。瞬時に仲間割れしてるの最高にジャヒー様だな。店長は五人でバイトしたら給料も五倍だという詭弁を使っててやり手だなと思った。そして友達の異常者は主人公が好き過ぎてひとり誘拐しようとしててヤバくて笑った。生命の危機で元通りに。『サキュバスとはじめる真剣交際』、親の過干渉に拒否感があるサブヒロイン。なんか耳の形で親の片方が人間だとバレてた。構図的にはエッチは待てるヒロインとそれを見下すサブヒロインという形で、強くあるべき? 強くなくてもいい? という葛藤がそれを盛り上げる。ヒロインは主人公の頑固さに期待しているらしいので、なんかサブの悪魔同士で企むシーンがある。主人公不在なのに全体的によく回ってて話がスムーズだった。『ポラリスは消えない』、前回の手紙を読む回。どちらも互いにじぶんのアイドルだったということで再び回想、そしてポラリスの位置はずれるという暗示っぽい発言。うーむ次号最終回か。暴力的な前半に比べるとなんかしっとり終わる。『賭ケグルイ双』、相手役に結局絆される主人公、感動展開だが敵はそういうの一番嫌ってる。誰のためでもなく友人のためという勢いに加えて、敵のミケも主人公に借りを返すため懇願ということで、一発勝負の舞台が整う。準備完了って雰囲気。『ソード・オラトリア』、なんか敵の方が時間稼ぎしてる? 呪いの化け物の方は倒せないが閃きがあり、回復魔法を向けることに。よくRPGでゾンビを回復で殺すみたいなノリで呪いごと相手を消し飛ばすような展開で、やはりキャラクターがどれも立っていてすごい展開だった。戦闘に躍動感もあって、ページ数も多く、読み応え抜群。『シレネガリカ』、ここから読み切りゾーン。これは花が人間になったという話。精霊みたいな姿になったのを見て信じる主人公、一晩で枯れることが途中で明かされて深刻さが増すが精霊本人は明るい。挫折と現実、精霊のひたむきさがうまく噛み合っていた。花も作家も根っこを張って動けないんだねというキメのワードも良かった。最後のシーンは復活したのか、それとも死んで見守っているのか。『俺の彼女とアイツのカレシ』、昔は優秀だった主人公と幼馴染みの女の話だが、周囲がとにかく悪過ぎて面白かった、完全に崩壊した学校だ。主人公は罰ゲーム告白の動画を撮られてるし、幼馴染みはレイプ野郎に声をかけられてる、風紀が最悪の中でふたりの愛だけが真実! どっちが先に恋人を作るかという勝負だったんだけど、まあ題名からいうとそうなりますよね~。『アンラッキーデビルデイ!』、訪問販売蹴る悪魔が相手役で、主人公は不幸体質。スナックのでけえ看板飛んでくるレベルで不運なのはウケる、家直す金なくなるじゃん。出会いの回想が途中にあるという構成で、後半は地元のショボそうな宝石探しに出かける。イベントの指示のひとつとして三十分同じ場所で踊るというのがあり、地味にキツそうで笑った。訪問販売も悪魔だったので、ドカーンしちゃうという話で、そいつに捕まって実は一回飛んでるのが良かった。『獅子と牡丹』、長唄の話。あがり症の主人公と、相手役で三味線を弾くのは悪そうなひと、勝手に歌ってたら目をつけられた形。組んではみたもののやっぱり無理となる主人公の優柔不断さが、あがり性であることをよく示している。ところが三味線が学校やめるらしいという話を聞いて、そこから死にものぐるいで練習して本番。とにかく殺すと言われて気合が入る主人公、そのうち本当に殺されそうだなと思った。 で気合が入ってる。最後のまさかの展開も含めて、鉄板の少年まんがという印象で、面白かった。以上です。