ぐ戒

古書店で本を選んでいてそろそろ買い物しようかなと思ったらシャッターが降りていたので店員に相談して鍵を借りて出ていったんだけど大通りに戻ってからおれが急に引き返したもんだから同行者も気になってダッシュで追いかけてきてどうしたのと質問してきたしさっきの店に財布忘れてきたと打ち明けて間に合うかなあと不安になっていると大丈夫だよと励ましてくれたけどかなり先に見える古書店のシャッターが再び降り始めていたので待って待ってと声を上げて止めてもらったらそこの店主は昔借金取りをしていた頃の上司の眼鏡のおじさんだったしギリギリで滑り込んで財布どこだろうと床を這い回っていたら入口付近の古書の束の下の空間に財布のチェーンがキラキラしているのを発見したので良かったーと言いながら引きずり出す夢を見た。これさあ手前の坂を駆け下りていたんだけど、古書店は実際に存在する店舗が出てきたのに坂はまったく存在しないものが出てきたのでビビっている。どういう仕組みだよ。町の形を変えるな。あと、暗くなってきたので適当に帰ろうとしたんだけど本当に適当に自転車を漕いでいたら明らかに遠い場所にある地名が出てきたしヤバいのでちゃんと目印を意識しつつ帰ったら闇の大阪に迷い込んでしまってほとんど何も見えなくなったしどうしようと思いつつ前進していたらチラッとだけ明かりが見えて見たことのある繁華街だったので戻ってみると結構明るくてチラシもバンバン貼ってあったし誰かに道を聞こうとしたら警官がいたのでパトカーに乗せてもらって橋のあたりから大阪を脱出したらいつの間にか警察署に到着しちゃってる夢を見た。これは怖さと面白さが同居しているような夢だったのでよく覚えている。あとあと、日本地図にケーブルテレビの本数が掲載されていたんだけど北陸だけマイナス六とか書いてあってこれ石川県のことじゃんと指差して笑う夢を見た。起き抜けには、似顔絵を書いてもらったらローカルルールで相手は顔半分に水玉を書けるらしいのでいいな~と羨ましがる夢を見た。これらふたつの夢はよく覚えていない。
そういやラーメン食ってるときにカリフォルニアの山火事見て大変だなーと思っていたら、原因はまたも赤ん坊の性別発表パーティーだとか言ってたので、真面目なニュースなのに笑いそうになってヤバかった。どうして外人はあの変な性別発表パーティーをやめられないのか。一時期インターネットで話題になったので動画を見まくったんだけど、とにかく信じられないほどのテンションで大騒ぎしている。どうしてああいうテンションで物事が行えるのか、それが本当に分からない、ああいう元気があればなんでもできそうではある、そういうパワーは羨ましい、羨ましいが山火事を起こしてしまうほどの元気はない方がいいかもね。ところでパソコンを立ち上げてみるとメールが届いている。どうやらキロの茶が発送されたらしい! 喜ばしいニュースだね。キロ茶だキロ茶。興奮して身体が熱くなってきたのかと思ったら本当に気温が高いらしい。天気予報によると今日みたいに猛暑日になるのは今日までってことになってるし、まあこの暑さを楽しめやってことなのかもしれない。一方インターネットニュースの世界では環境危機時計が一分進んで最悪の状態になった、という報道が流れていた。似たようなやつなかったっけ、終末時計だったかな? なんで時計を作りたがるんだろう、分かりやすいからかなあ。でもこういうやつ、絶対十二時にしたいという気持ちの方が勝ってしまうからダメだと思うんだよね。まあダメなのはおれの脳だけど。
今日は街の方面に出かけた。まず新竪、ここでは長らく悩んでいるお花の本について今日も悩ませていただいたけど、結局買わないことになってしまった。それでガレージへ行き、こないだまでは確かになかったはずの脳の本を購入した。本当はカートゥーン目当てだったんだけど、結局絵がキモいということになってしまったので買わなかった。帰宅後はおとなしくジャケを作ったりコーヒーを作って飲んだりしていた。テレビでは政治家がグレートリセットなどと言っている。グレートリセット、おれの職歴のことか……? そして夜。トイレにでかい蜂が出て完全にパニクってしまった……。家族に泣きつくハメになった、おれは本当にもうダメだ。怖いものは怖いのだが、それにしても蜂ごときで死ぬほどパニクってしまうっていうのは本当に虚しい。おれはひとりで暮らすことができないんじゃないだろうか。こういうことを起点にして死ぬほど不安になってしまうのもダメだ。とりあえずオークションを見て気持ちを落ち着かせていたら、清朝プーアル茶がいきなり半額になっていたので驚いた。でもどう見ても汚い石鹸なので金があっても欲しくないんだよな。骨董と書いてあったけどまさしくそういうものなんだろう。まあそもそも本当に清朝? という疑問もある。プーアル茶売ってる店が、中国は平気で偽物を出してくる! 嘘つきの業者がいる! という主張をしていて、それはまあそうかな、と思うんだけど、そこで出てくる結論が仲良しのお店から買ったんで大丈夫というやつなので、結局保証するものは何もないやんけと思ってしまう。おれも中国茶には偽物があるという認識は持っているので、偽物でもいいような安い値段のものしか買わないことにしているし、そうするとマジだったらラッキーということになるので便利。