ぐ戒

古書店を物色していたらちょっと赤黒くて分厚い古書があったのでちょっと汚くてでかいかもなあと思いながら見ていたら昔の妖怪や風習について書かれていたんだけど昔の庶民の労働は死の採掘と呼ばれるものしかなかったとありトンネルの断面図が付属していたんだけどどうも最初の一週間で横穴を掘る工程だったらしくそこから下へ下へと掘ると軍部の権力者にジャンプしてボタン押せと命令されたので落盤で死ぬかもと思いヘラヘラ笑ってごまかそうとしたがいいからやれと言われ本当に死ぬ気で黄色いボタンを押し切ってチームに戻ったけど採掘チームは三人一組でその他のチームは敵なので常にほかのチームに命を狙われているし特にナンバーツーの奴等は地位向上をもくろんでいるようだからやられる前にやろうと決意していたところちょうどそいつらから誘いをかけられたし返り討ちだと意気込んでついて行ったら地下トンネルの枯れ木の前に誘われてそこで決闘になるかと思いきや奴等は幽霊みたいにすり抜けては逃げ回っているし倒したかなと思ったら女の幽霊に化けてその先にある炊飯器のスイッチを切ってきたがそれは権力者のメシが入ったもので当番はおれたちだったので実力じゃ敵わないから権力者に間接的に殺させるつもりだと悟ってゾッとしたし実際おれ以外のふたりはチクられてあっさり殺されてしまったしそのあとに集会となったんだがみんなが連帯責任で説教を受けている間もおれはそうッスよねえとヘラヘラすることしかできず反撃したいのだが生き残りはおれだけだしナンバーツーを狙うより権力者を殺した方がよかろうと思ったので子供向けのおもちゃの宝石で権力者の子供をおびき寄せ危害を加えようとする夢を見た。長い夢なのでよく覚えているが、炊飯器の辺りが猛烈にダサいな、ダサいのに夢の中では本当に怖がっていた。これは起き抜けの夢で、ほかにも夢はあったはずなんだが忘れてしまった。
とりあえず、午前六時半ぐらいに胃痛で目が覚めて胃薬を飲んだんだよね。そのときの夢も記録していないのだがさすがにそんな余裕はない。ただ起きたらすっかり治っていたので胃薬サイコーとはなりましたね。で、起きてパソコンの電源を入れてさっそくインターネットニュースを見てみたらバンクシーが話題になっている。何か絵を書いてそれを医療現場にプレゼントしたみたいだ。金に替えてくれて構わないようなことが添えられていてそれもちょっとダサいと思ったが、何よりそれが皮肉だなんだとインターネットが揉めていたのが猛烈にダサかった。発端は日本のメディアがその皮肉を認識できず、素直な感謝だと報じてしまったことにあるらしい。ただ理解できてないから恥ずかしいみたい態度は一体どういう立場なんだ? 皮肉を皮肉として受け取らないことは皮肉屋に対する皮肉になるんだから別にいいんじゃないのか。なんで著名な皮肉屋が必ず正しいことになるんだよ。皮肉屋に対する「皮肉」は、提示された皮肉に対して「ワッすごいね~ 応援ありがと~!」と素直に感動してやることなので、日本のメディアが意図せずにそれを行っていたとしても、単純にバンクシーがスベッてるだけとなるはずだ。
そんなこんなでパソコンをいじくり回していたら、背後から家族に声をかけられた。振り返ると電話をかけながら話しかけてきている。それもそれでなかなか不愉快だったが、スマホの使い方でつまずいたらしいので気を取り直して教えてやる、しかしその教えてやっている最中にどうもその電話が繋がったらしく、家族が電話相手の方を優先した、その結果おれが無視されてイライラした。まあこれは本当におれに落ち度がないのでひどくイラついていたけど、ベトナムで「いいね」を集めるために古事記の格好をして街に佇んでいた若者たちが逮捕されたというニュースを見て完全に期限が直った、いいね乞食ってインターネットから飛び出してこれるんだ。
今日はようやく、街の方に出かけた。ガレージの方に向かったんだけど普通に開店していたので良かった、良かったが物色しても休業前とそんなに変化がなかったため何も買わなかった、いや無人販売ワゴンを漁るつもりでいたからね。で遠くからマンションを確認したら入り口が開けっ放しだったので多分開いてたけど、今日行ったらどうしても欲しい古書がある人間みたいなのでやめといた。それから犀川に向かい、石を一個捨てて一個拾った。ややでかくて白い石なのだが洗ってみたら意外と色が汚かったので即刻捨てるかもしれない、白は汚れが目立つからね。じゃあなんで拾ったんだという話になるのかもしれないが、そりゃほかの医師に比べてとびっきり白くて、かつ白墨ではなかったからだよ。夜中には自動生成でパブリックドメインのアニメ顔をダウンロードしまくっていたが、そんな大量に集めてどうするんだという気もする。