ぐ戒

なんか古書店にいる夢を見たはずなんだけど花粉症がひどくてなかなか寝付けなかったので忘れちゃった。残念だなー。起き抜けには、電柱に掲示されてるデジタル画面を見たらインターネットお騒がせ野郎の名刺が刺さっていてそれを挟み込むとBPMが変化するという夢を見た。これも短いのは花粉症のせいなんだけど、名刺を差し込むあたりはよく覚えている。でも物体として音をいじる機械は一個しか持ってないはずだし、それはそのような挙動をしないので、憧れなのかもしれない。
インターネットに繋いで早速ニュースの海へ飛び込むと、ビョーキによるフリーランスの休業補償が少なすぎてしかも受給条件が厳しいみたいな話題で盛り上がっていた。フリーランスが休業補償の対象になると、次は「どうして主婦がお金をもらえないのか?」となり、家事の多さを計る尺度はないので「どうしてすべての国民がお金をもらえないのか?」となる、だからベーシックインカムしかない。分かったか日本政府。まあ休業補償が「業務委託契約などを結んでいるフリーランス」に限られるのはおれみたいな無職が「フリーランスです! 金くれ!!」って言うのを防ぐためなんだろうけど、なんでそれを防ぐ必要があるのかは分からないな。生存権に従えば政府はすべての国民の生活を保障すべきなんだろうし。一応ベーシックインカムっぽい主張を行ってる団体もあるようで、興味深く見ていたら本当にベーシックインカム学会だったりもした。ただその主張の中で、『2009年に菅義偉氏や安倍晋三氏など20人超の国会議員有志で発足させた「政府紙幣及び無利子国債の発行を検討する議員連盟」から着想を得たのだと言う』と書いてあったのでビビった、そんなこと行ってたんだ。安倍総理と菅官房長官が昔二十万円配ると言っていたから配れ、実にストレートな主張だな。いいと思う。
そうやってインターネットで盛り上がっていると、ピンポーンと音が聞こえる。注文していた中国のドミノがついに届いたのかなと、喜び勇んで出てみたら宗教の勧誘だった。お前らは常にサイテー。最近ババアだらけだったらはずだがなぜか今日は若い女だった、若い女だろうとなんだろうと宗教の勧誘はキモいので意味がないのだが。外はしとしとと雨が降っている、まあ今日は出かける予定ないのでいくらでも雨降れや バーカという感じではある。しょうがないので予定通りに音楽作成ソフトなどをいじくり回し、ついにプリフェーダーとポストフェーダーの意味とその違いを知った。ノリで触っているのでおそらく基本的な知識であろうことも知らない。本を読む頃にはすっかり夕方になっていた。なんでこんなことにって感じだったな。当然ちょっとしか読めなかったし、コーヒーを作って、飲みながらPDFのファイル名をつけるというオニ地味な作業をしまくっていた。
セフレこと世界ふれあい街歩きはコロンビアのカルタヘナ。要塞の前からスタート、早速食料品店の男が、暑くないと生きていけないよ! と口走っている。夏に対する圧倒的な信頼感だ。その同じ通りにエメラルド専門の宝石店があり、エメラルドはコロンビアの特産品だという説明を受ける。それを守るために要塞が作られたらしい、しかしさっきの食料品店がボロボロだったにもかかわらずまだ新市街だったんだな。路地の上に万国旗みたいな感じで旗や傘が吊るされている、毎日がお祭り騒ぎらしい。こういうやつの名前を知りたいんだが出てきた試しがないな。そこの一角では、衛生感ゼロの屋台がオープンしていて、提供しているものはパタコン、これは牛モツの唐揚げにバナナが乗せられている料理らしい。スペイン人が住んでいた地域はさらに城壁に囲まれており、どうもここが旧市街らしい。新市街より小綺麗な雰囲気で、西洋感があり、ホテルもある。元は伯爵の屋敷だったらしい、敷石に化石サンゴの石が使われている。また歴史ショップに立ち寄ってみると、海賊が使っていた突いて使う剣が売られている、RPGで言うところの小剣ってやつだ。その歴史ショップで聞いた財宝の話から歴史コーナーへ流れる、エメラルドやそれを狙う海賊の話が出てくるあたり、冒頭で聞いた話は真実だったらしい。侵入者を拒む砦の話を聞いてから街歩きに戻る、口笛と大声でバケツに入れた魚を売り歩く男がいるのは昔のパリみたいだ。ああいう感じだったのかな。そしてやや交通量のある道に出ると、急にラッパーのダビッドとカレラが襲ってきた! 流しのラッパーとして金を稼いでいるらしい。旧市街を出てそれなりにボロい市場、からさらに細い路地に入ると魚市場。客がそれなりにいる。そして別の一角ではじぶんでじぶんの腕に「神の手」ってタトゥー入れてるおっさんがポスターを手書きしていた。これはすごい自信家だ。豪快な書きぶりだったが、プリントじゃなくて未だに手書きで作ってるってところがいい。そしてなんか店と店とが複雑に絡み合う路地を通り抜けるときに、ダンプカーみたいな尻のおばさんがひとりで踊ってるのを見てビビったけど、ここはどうもそういう地域らしく、スピーカー売り場でも店員が踊ってた。グルメコーナーはミスカルタヘナがご紹介、卵で肉を包んだ爆弾みたいな料理出てきたけどホントにこんな高カロリーのものをミスカルタヘナが食うんか? 次は万国旗を張り巡らせてる路地。絵とか音楽が散らばってる家並みがあり、その中の一軒に入る。外からは想像できない中庭と吹き抜けがあってすごかったし、暑いけどクリスマスの飾り付けが家中になされていて、大体の撮影時期も分かる。スカルマンみたいな衣装着たおばさんがわたしたちは人間が好きとか言ってて面白かった、そっかそっか、おれは人間嫌いだけどね! ちょっとさみしい路地に出ると、規制線が張られていて怖かったが、その路上には野球のホームベースが描かれていて、本当にここで野球をするんだと説明する男たちがいる。家に当たったらアウトとか電線に当たったらファウルとか説明してくれるんだが、お前らがやっているのは街を壊す野球かよ。寄り道コーナーはサンバシリオ・デ・パレンケ村。ここは南米に再現されたアフリカで、奴隷だったギニアビサウの王子が逃げ出して作った村らしい、薬草売り場とかがあってRPGっぽい。太鼓はコミュニケーションとか行ってドカドカ叩いていたり、料理作ってる女が働け働け働けという歌をうたっていたりする、その歌は怖いぞ。街歩きに戻ったら夜で、電飾だらけの木に囲まれた広場で若者がマパレを踊っている。このダンスは打ち上げられた魚がビチビチ跳ねる様子を表現しているらしい。そしてポケモンフラッシュ並みにビカビカしたバスが止まっている、目がイカれそうなぐらい光っているが、楽しそうなのでみんな飛び乗ってくるらしい。ビカビカした木、ビカビカした時計台、ビカビカしたバスで終わり。カルタヘナ、変人が多かったので良かったな、コロンビアサイコー。またコロンビアコーヒーが飲みたくなってきたぜ、こないだは売り切れだったからなあ。