ぐ戒

夜中に窓ガラスが手前から奥に向かってガシャンガシャン割れる映像を皮切りに絶賛が止まらないがこれはインターネットでタダで配られているエロ本のファン動画らしくて一巻は準備号でつまらなかったけど二巻から化けたよなとネット上でも評価が高くタダなのに音も極めて良いのだがこれはやはりスタジオを借りているからだとクラスでバンドやってる奴らが盛り上がっていておれたちもスタジオ使おうかなとか言ってるけどとにかくさっきのエロ本は紙媒体でも売られているらしいから見てくるかと本屋に行き立ち読みしていたら確かに肌の露出が多いがいつか本物の兄弟になるとアピールしている年下の女は紙オムツを履いていて腹筋には目玉があるという描写のされかただったのでエロの方向性が際ど過ぎるんだがいいのかこれで評判なのかと考えていたらわざわざ店の隅に本棚が置かれていて隠れて読めるようになっているのにほかの男が来たしこのエロ本が目的なのかもしれずそんな野郎におれが読んでいるところを見せたくはないからカモフラージュのためにゲーム雑誌を読んでいたらスパロボの記事が掲載されていて新ゲーム機に対応したグラフィックで本当にきれいだがローマとか書いてあるし完全に現代に寄せてきたのかもしれないと不安になったところにさらに家族が迎えに来たので別に迎えに来なくても良かったし先に帰ると言い残して書店の暗い階段を下りていたがあのエロ本って三年限定の季刊だったはずだしだからこそいい作品ができるのかなでも会社の屋台骨になったらどうするつもりなんだろと考えながら帰宅し別室でさっきのエロ本を動画で見ていたのだが東海地方の旅館のコマーシャルが入っていたのでエロしかも方向性の異常なエロなのにスポンサーについてもいいのかと疑問に思っていたら家族がガヤガヤとリビングに集合し始めたので一旦パソコンの前を離れたら家族がおれの革張りの椅子に足を乗せてて汚れていたのでおいやめろなんでじぶんの椅子を買わないんだと詰ったら前にあんたに作ってもらったでしょと言い返されたので確かに作ったグッズに焼き印を押す能力はあるがあのとき作ったのは椅子じゃなくてカバンだったはずだろと返事する夢を見た。めちゃくちゃ長い夢でよく覚えている。スパロボにローマが出てきて云々という不満の在り方がよく分からない、そもそもあのゲーム地球上の実在する地域を使っていたじゃないか。
今日はひょっとしたら雨が降らないかもしれないような天気なので予定を考え直している。それはともかくインターネットのニュースを見るべき時間なんだ、昼と言うのは。なんかリベラル的なニュースで、イギリスの王族が子供から将来同性愛者だと告げられたらどうするか、受け入れます見たいな生ぬるいやりとりがあったので、"「将来、お子さんから『小児性愛者なんだ』と言われたら、どうしますか」と聞かれたイギリスのウィリアム王子。"みたいに改変したらどうなるのかと考えていた。もちろんこの場合でも受け入れなければいけないはずだが。京都では生活保護をパチンコで使い果たした女が逮捕されようとしていたが、そんなことよりいいニュースがあった、職員が百歳のお祝いに訪れたら白骨遺体だったというやつだ。久しぶりに日本で率直なニュースを見た気がする。おじいちゃん、百歳おめでとうございます! ウワーッ!! ってことでしょこれ。状況がすごすぎるじゃん。そういうひとってそういう状況を想定して向かってないはずだし、上司とか本部に電話で報告してるときどんな気持ちだったのかと考えてしまう。
結局電機は悪くならなさそうだったので出かけることにした。せっかくなので準備をしっかりして石を拾いに行くことにする。なぜかというとこれはこないだ小石用に買ったケースの中にまだ結構な余裕があるからだ。あとで捨てたりして入れ替えればいいが、その前に見た目をまともにするためには数が必要だなと、これは昨日小石を箱に詰めてるときに思った。だから探しに行ったわけだが、最初は見つからねーな、やべーぞと思っていたのに途中から勢いづいてめっちゃ拾えてしまった。なんだろう、普通のサイズの石を探すときには小石が目に留まらないし、逆も然りだ。すべてのものを一気に探すということが、少なくともおれには無理なんだろう。集中的に探すということがね。それでそのあとこないだに引き続いてカバンの中を小石でジャラジャラいわせながらガレージに行ったんだけど、商品が増えていなかったので買うべきものも存在しなかった。帰宅したら即刻小石を洗い、そこからパンとコーヒーでペットボトル焼酎を吟味することに。コーヒー豆が中途半端に余ったのでブレンドしました、うまいことはうまいが今後どうしようかな、種類がひとつ減ってしまった。
インターネットの広告を見て思ったけど、弱キャラなんちゃら君ってまだ原作ライトノベルは刊行されてるんだな、ガンガンジョーカーでは打ち切りになってしまったが……。いや正確には打ち切りではなく第一部完だったはずだ。ライトノベルの方も巻数が少なかったので、ひょっとしたらマジで第二部が始まる余地があるのかもしれない。あの作品面白かったけどなんでハネなかったんだろうな、主人公の地味さが平凡だったからか? 夜は賃金の話をニュースで見ていたが、未来は暗そうだ。最低賃金プラス百円ぐらいのバイトは接客をメチャクチャ雑にやっていいんだよ、最低の労働力をナメるなみたいな話を家族に熱弁したが、その意見はまったく変わっていない。買い叩かれた労働力に甘んじる必要があるならば、せめて買い叩かれたなりの働きをすべきだ、こういうときにキビキビ働いてしまうのは本当にワーカホリック野郎の欠点であり害悪だ。無給医の問題で分かることは、雇用側は労働者をタダで使うチャンスがあるのなら使うという程度の倫理しか持ってないということだから、こっち側がその倫理に乗る必要っていうのはまったくないんだよな。これは本当にない。労働は最悪。雇用主と労働者の立場が同一になったことなどただの一度もない。同じ家族との話の中で、数日前、電子レンジを買うかみたいな機運が家庭内で一瞬だけ高まったがすぐに否定されたという展開を聞いたんだけど、なぜ買うのを阻止するのかという思いしかなかった。夜中は足がホカホカで困っていた。しかし二十度をちょっとでも割ったら今度は足がヒエヒエになるんだよな、この足は本当に最悪だぜ。