ぐ戒

見たこともない芸人の分刻みのスケジュールに憧れて弟子入りしてこれなら労働という感覚もないのかもしれないと期待したのだがそんなわけもなく楽しくもなく漫才が繰り広げられた部屋を出たら実は病院で慰問を行っていたらしいのだがおれは病院が嫌いなのでさっさと出ていきたいのに芸人の方は人当たりが良いためスケジュールがキツキツなのに病院のひとすべてにあいさつして回ってるしもう絶対に間に合わないだろと病院を出たら次は舗装されてない農道の穴をまた以前のように埋めてくれやとジジイが迫ってきてどうも以前この芸人がそのお人好しさ加減で穴埋めを手伝ってやったところその労苦を当然のものと思ったジジイが毎回頼んできてるものらしくいくらなんでも今スケジュールが押しているのだからそういったことはできないときっぱりと断ると以前ロケに協力してやっただろうがと恩着せがましくブチギレてきたので逃げるように車で移動したが運転するのはその芸人なので明らかに動揺してて側溝にはまったり壁にぶつかったりしてたしこんなことで売れない芸人の金が持つのかよと将来に不安を抱いていたが次のシーンは明るい学校でそこは不良でさえもが給食のコッペパンを用意しながら明るく声をかけてくるポジティブワールドであり同級生は皆楽しく語り合い今来たばっかりのおれに対してもまるで数年来の友人のように振る舞い一年生たちは青と赤のリボンで縁取られた半紙に左右逆さまになったひらがなを習字していてまるでお前みたいな奴でも大丈夫だよと言われてる気がして逆に怖くなる夢を見た。これは午前十一時前の起き抜けの夢だったが、起きてすぐメモしてからもう一度寝たのでひどく良く覚えている。正午過ぎの起き抜けには、エクスクラメーションマークみたいに大量に並んだ足を見る夢を見た。
なんかはやぶさ2という宇宙に飛び出した機械が小惑星に着陸したんだけど、そのときのコメントが「人類の手が~」というものだったので、主語がでかいなと真っ先に思った、その、どう見ても前から練りに練っていたコメントだろという感想より先にそれが出てきた。おれも確かに宇宙には興味があるんだけど、みんながワーとやってるとおれはそっぽ向いちゃう天の邪鬼だし、こういう人間もいるのに国民全体もそれを祈っているのであるみたいな空気にされちゃうとムカついちゃうんだよね。こうやって謎のムカつきにより食ったばかりのラーメンのカロリーを消費していたら玄関にまんが雑誌が届いた、いや届いていた、おれは午前中寝ていて、雑誌は午前中届くので、はい、批判は甘んじて受けます、無職ですので……。なんか世間ではダムカレーなるものが批判されており、それへの逆批判で世論が盛り上がっているという珍しい形になっていた。批判する側はよりにもよってグッチの話出してきてたんだな、今から言えることは多くなさそうだ。でも、ダムカレーに逆批判を浴びせてるひとたちの「これぐらいはいいだろう」という基準は一体どこから生まれているんだ? いつものポリコレ案件にその基準を持ち出して吟味してみるべきでは? おれはこのように、緩やかな差別を認める段階に来てると思うよ。ダムカレーはどうして許されるのかな、ダム関係者が知恵を絞ったから? そんな美談どうでも良くないですか? これはひとつの表現であり、表現は基本的に許されるものなんだということを明確にしておきたい。そりゃグッチもプラダバーバリーもそうだよ。明白に危害を加えるような表現があって実際に迫害が起きているレベルのブツを俎上に上げるのは否定しないけど、グッチやプラダバーバリーの「差別」をはねつけなかったツケとしてダムカレー批判みたいなバカな話がやってきてるんだから。そういう意味では、ツイッター社も任意の基準で差別かどうかを判断しているはずなので、事実上緩やかな差別を認めていると思う、もしそうでないならアカウント凍結されたひとがツイッター社に「差別はやめろ」と言えばすべて凍結解除されるはずだし。あと午後には、ジャシー・スモレットというひとが、黒人・同性愛者・アンチトランプという属性を持ちながら、差別偽装を行った罪で逮捕されていて、これもいいモデルケースになると思った。明らかに差別を過剰に認定した結果こうなってると思う。そしてアンチトランプのひとは、この件で差別の対象になったトランプ陣営を愛で包み込んでなどいない。みんなケンカしてるんだ、ケンカするんだったらワーワー殴り合いすればいいのであって、強権的に社会から締め出すようなことをすべきでない。
そういやおれは臓器が弱いのでありがたくもダノンビオを食わせていただいているのだが、そのフタの裏に「生きて腸まで!」って書いてあるんだよね、略すな。あのフレーズを知ってる前提みたいなのをやめろ、その書き方だと「生きて腸まで!(届け!!)」の可能性だってあるだろ、願いだと届かない可能性がある。あのフレーズ、一応知らないひとはいないと思うが書いておくと、「行きて腸まで届く」です。そういやさっきトランプなんちゃらと言ったが、おれの好きなベトナムでそのトランプと金正恩が会合を持つらしい、それでハノイが大騒ぎだ。ヘアサロンでは米朝首脳カットなら無料でやってやると息巻いているし、その結果ほとんどのひとが若者にも似合う金正恩スタイルを選んでいると書かれていた、なんて素敵な国だよ、おれもハノイに行って髪を切るぞ。キムジョンエールみたいなのもあったし、こういう首脳を、特に金正恩をパッパラパーみたいに茶化すのもポリコレがあると出来ないのでツラい、もっとみんなで騒ぎたいのにね。
今日は当初の目的通りガレージに行ったけど、業者に荒らされてて目的にしていたものどころかその周辺一帯は跡形もありませんでした、しょうがないので新竪で次点の本を一冊購入して帰宅。これでおれの不幸は数百億分の一になったね、あはは。今日は移動中しっかりとムカついてきたので、数百億分の一の不幸を潜り抜けてきた戦士となり、帰宅後にはスッキリした人格になっていた。これはすごいことなので、もう絶対に労働はしません。不幸や不運があったときはしっかりとムカついておかないと押し潰されてしまう、おれはしっかりと数百億分の一の不幸にムカついた上で、そんな低い低い確率の不幸に耐えたのだから二度と労働はしないと、このように言うことができるんだ。数百億分の一の確率の不幸も飲み込んだしもう一生分どころか億生分の不幸を身に受けたのでもう幸福しか受けつけておりませんし労働は幸福ではないのでしません!! ちなみに古書店の本をどうして業者が持って行ったと確信できるかというと、その数学の本は同じ本が数冊ずつあったにもかかわらず一日挟んだだけで根こそぎなくなっていたからです、個人で買い物するときにプレミアもついてない同じ古書を何冊も欲しがる理由はない。それは売る側の論理だ。あと遅ればせながらSUZURIの入金を確認してきたんだけど、日本語カタコトの外人がATMで堂々と携帯通話してたので、やべーと思った。
それではガンガンジョーカーの感想を書きます。『好きな子がめがねを忘れた』、二話掲載だがバレンタインの話で前後編。目だけが悪いはずなのにバレンタインデーを知らずに「街が赤い」って言ってるの頭も悪いみたいじゃん、ウケる。そのあとの王の墓発言も良かった。前半はギャグ寄りで後半は若干シリアスなのだが、それでも肩透かしを食らった主人公の表情が絶妙でしたね。あと好きな子のポケットにずっと入ってたチョコって良くない喜びに目覚めそうじゃないですか? 『履いてください、鷹峰さん』、とりあえず下着を脱いだら時間を巻き戻せるヒロインの下僕になった主人公だけど、下着を補充、って言われると若干冷めないですか? 些細なことでその技を使うので授業中に早速下着履かせプレイが発生して慌てる主人公、しかも二段攻撃。唇の動きで急かすのいいですね。『クレーンゲームはやめられない!』、新連載、以前までプアン様を連載していた作家のもので、今回はファンタジーでなく現代モノ、タイトーがバックについたクレーンゲームまんが。プライズのためにゲームに熱中する友達を観察するという態で魅力を引き出していくような展開。アームの力が弱いというのは良く聞く話だが、監修入ってるってことは公式に言っていいことなのか。髪の毛に引っかかって戻っちゃうのは笑った。『賭ケグルイ』、ゲームの決着。平たく言うと主人公側の勝ちなので、心情描写に多くの時間が割かれる。つまり各々のキャラにとって嘘をつくとはどういうことなのかと。そこで実は審判が偽物だったので無効でしたというどんでん返しがあり、さらに実は実はそのゲームは電話で審判の長に聞かれていたのでやっぱり有効でしたというどんでん返しがある。この辺の追い込み方は本当に巧みだ。『怪人麗嬢』、以前宗教施設でボコられた奴の目を通して修行の様子などを見せられるが、そうしている間にも主人公サイドの学校には怪人が送られてくる。つーか一般の生徒ってほぼ無力なんだな、ちぎられるように死んでいってしまった。そんな中でも主人公は囮になるなどやる気満々だし、敵は倉庫みたいな場所で高笑い。『聖女の揺籃、毒女の柩』、まあバレたらそうなるやろという話ではあるんだが、みんなが連帯責任を取るとか言い出す。この辺は胸糞展開なのでただ傷付けられるだけという、すなわち恐怖感が高められるだけという流れではある。結局逃げおおせた奴もいないし、罰ゲームみたいなのは次も続くらしい。『ハッピーシュガーライフ』、こっちは逆に今までが主人公の無双状態、周りの人間が不幸になりまくりの胸糞状態だったのが一転、主人公が猛烈に追い詰められている。この作品でのヒロイン役=女のガキが助けに来たその兄を否定するんだけど、ガキだからかさほどの時間もかけずに、実は母に嫌われていなかったという真実に辿り着く。そこで兄が言った「おれたち"は"まだ間に合う」って印象的な台詞だよな。つまり主人公は間に合わないことを指してる。『ヴァニタスの手記』、主人公グループ再び合流。「獣」が自らの意思でそうなったという話を聞いて救う気が失せる片方とだからこそ救うのだという論理を展開するもう片方の間で意見が揺れ動き、熱意が肯定されるという絶妙な流れ。前回までの友人的な交流も一役買っているんだろう。ラストの自信に満ちた表情もいい。『死神のラメント』、番外編。単巻で終わったコミックスの宣伝だろうかと思ったら割とページ数があって、しかも本編とは別の展開だ。これは次があると期待していいんだろうか? 単巻終了だったのにコミックスに1って付いてるし。番外編の内容は主人公と世界との関わりをきれいにまとめたもので、愛することの不安定さが他人の死で浮き彫りになる感じがよく表現できている。明示されなかったけど、相手役って文脈的には少年だよね。『久住くん、空気読めてますか?』、ラブラブっすよみたいな前振りがあったらそうなるのは世の常だが、やはりすれ違いが発生して言葉にしないことが恋愛の正義かみたいな流れになる。しかし前半部分はコメディー、幼馴染みに勝てない焦りはともかく、まな板の横を包丁で刻むのは怖過ぎて笑った。『渋谷金魚』、金魚の口から手が飛び出してるやつ、ヒロインが食われたのかと思ったけど誰かがいるとかじゃなくて生えているものらしい。見るだけで感染するみたいなの、パニックホラー的ではあるが、別の条件がきっとあるんだろうな。おっぱいをペロるみたいな表現が絶妙に古臭くて良かった。『賭ケグルイ(仮)』、電流が走るいたずらペンシルを使ったときの三者三様な反応。確かに最後のあはぁんみたいなのは嘘っぽく見えてウケる。『メイのメイデン』、Zまでいかないから早めに閉められてる気はするんだが、それでもカラーなのでこの展開は太いのかもしれない、まあ身内対決だからな。裏の読み合いで相手の強大な力が判明する展開ではあるが、そのさなかに短めの感想を挟んで姉の性格を浮き彫りにしている、通常時で男を半殺しにしたっていうエピソードが強過ぎるだろ。『お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない』、初登場の友達と、その友達の兄の誕生日プレゼントを買いに行く。ピュア設定なんだが、パパ活っていう言葉どうやったらピュアな生活の中から生まれるんだよ、笑った。主人公のエッチな妄想でキャラが脱ぎまくりのサービス回だった、でもね、バナナ柄はそういう意味なんですよ。『夢喰いバクと悪夢の子』、戦いが終わる感じだが終始主人公が不利。まあ赤子を守りながらだからではあるんだが、最後の敵の台詞を勘案するとそうじゃなくて己の弱さだみたいなことに。一瞬巻き返しの機運が高まったがすぐに潰されたし、腕はもがれて胸を刺され、そもそも家も焼かれているというズタボロ状態、ここからどうなるのか。『遺書、公開。』、前回おいたものはタバコだった。即ち学生がタバコを吸っていたという、一般的にはありがちな不道徳をあそこまで盛り上げたのがすごい。この作品主人公の役割をわざと曖昧にしているので、今回もそのタバコ野郎と今までの主人公的な役割が曖昧にされ、その上でラストの主人公格のひとりが慌てるみたいな流れに進んでいく。このへんも巧みだが、じゃあ誰がこの先語り部になるんだろう。『僕が僕であるために。』、いよいよ文化祭が終わる。割とほかの出し物は端折り気味に描写されている。主人公にとっては文化祭が終わるイコールなので一大事だがヒロインはわざとなのか軽くいなしているようにも見えるし、突然寝たりもする、でももともと不幸な結末を先に語ってるパターンだしな、ここからどうなるのか、佳境なのかもしれない。『事情を知らない転校生がグイグイくる。』、今回は新キャラというか、つるんでたサブキャラ格に恋している女生徒登場という感じ。主人公、ひとの恋愛感情には敏感なのに、じぶんの恋愛感情には気付かないのでそこのギャップが特に際立っている。好きなもの聞いてくる流れだったのにそのまま誕生日会になるのはとってもスムーズだ。はたから見て死神呼ばわりに一瞬ムッとするところが良かった。『蝶撫の忍』、主人公活躍したと思ったらまた瞬時に休眠状態に入ってどうやら女のガキと強制性交させられる流れだし、ラストでそれは果たされている。翻ってヒロインはそとででかくて硬くて力も強くて飛び道具ありの強いキャラに致命傷を食らってもう死ぬという宣告をされている。一方別の場所では密偵が殺されているように見えるなど、三つ巴の激しい展開。『ジャヒー様はくじけない!』、二本立てで前半は残念な部下。犬になる薬を開発したので主人公に飲ませようとしたが作った直後にじぶんで飲み干すというかわいさ、その後みんなに愛されてしまう。後半は前回も登場した女児と主人公とのこころの交流、そのガキに対しては優しい気持ちになってしまう葛藤がありつつも、最後は警察に「すごい露出した格好」と言われてしまう、爆笑してしまった。『ラグナクリムゾン』、敵のナンバーワンとツーとの対話だが完全にお嬢様のヤンキーが男女関係として喋ってるみたいな展開なので、敵の話なのに男気みたいな流れになっている。「じぶんを信じることで魔法が使える」っていうのも悪の思考じゃないしな。彼らが敵意を燃やす、その相手である主人公は最後のコマで未だに女の間で板挟みになっていたので面白かった。『話したくない七坂さん』、これ、なんちゃらさんは無口みたいな作品と題名構造的にかぶってないか? ともかくストレートな題名で、無口な図書委員にうるさい男が突撃をかましまくる話。単にデリカシーがないようにも見えるがいちいち気分を害したら直球の謝罪をしてくるので断りきれないという空気が出ているのが良かった、あとジェスチャーのかわいさ。あとこれは一言書いておきますけど、ウチワ持ってるシーンでtakeとtalk間違えてますよね。『ソード・オラトリア』、長い長い展開だったが褐色姉妹が巻き込まれた事件も終わる。片方は暴力の克服という形で終わり、恐怖のまったくないパンチという青春ど真ん中のやり方を提示していた。一方の展開を終わらせたのは恋心なので、相手が倒されるときハートマークをつけるなどコメディー寄りに終わった。殺さなかったという軸で姉妹愛を深めるいい話でしたね。『齢5000年の(略)』、こっちも長い展開がようやく終わった、というか既に終わっていたのに次々と味方側のキャラが暴走していたんだ。それで全部が終わったので女剣士が勘違いからチヤホヤされて死んだ目をしていて笑った。それを嫉妬した聖女が我を出すのは恥ずかしいと面倒な性格を披露してたのも面白い。良識は主人公のドラゴンしか持っていないのに泣いていてかわいそう。『よなかのれいじにハーレムを!!』、新キャラの褐色がじぶんの家でプロポーズされたともうひとりのキャラに相談してる。このキャラの閉じた目とショートパンツありの謎チャイナドレスはかわいい。とにかくこれは運命だということで翌日主人公と再度出会ってよろしくという自然な展開なのだが、ここに至るまでこれまでのサブヒロインが除外されているので、やっぱりこれが終着点なのか? と勘ぐってしまう。『賭ケグルイ双』、以前のチャラチャラした男にそのボスから通達が来て、もう主人公に手を出すなと言われたのに出しちゃうという展開、その流れで前の敗北者が煽られてるのが面白いな。主人公サイドは一発で終わらせたいがその男は嬲る目的で来てるのでちまちま賭けていこうとする。そしてその裏で謀反の動きあり。『猫又のペット』、猫だけの島に来たはずなのに誰もいないという男、その男のものと知らず舟を焼いてしまう主人公の猫又。男はあまりにも猫がいないためノーパソを開いたり缶ビール飲んだりしてるんだが、他人の家なのに豪快だな。おそらく、後半の家族感演出のためのヤクザ設定なんだが、そこでしか使われてないのがちょっとだけ不自然だった。ほかのすべての住人も猫又であるというどんでん返しがあったのは良かったですね。以上です。