ぐ戒

客がおれしかいないガレージの古書店で本を物色していたが優柔不断なのでなかなか決められなくてそのうちピョンピョン飛び跳ねながら男の店員がやってきておれがまだいるのに内側からシャッターを閉めてしまったし一言言わないと出られない状況になったのでまだ十七時になったばっかりだろ早いじゃんと聞こえないように愚痴りながらとりあえずシャッターを開けてもらうときに声をかけやすいように買うべき古書がないかと探し始めたんだけどこういうときに限ってまったく欲しいものがないからしょうがなく空手で会計でもある事務所に入ったらさっきの男が奥の方で黙々と事務作業をしているしなぜそこにいるのかよく分からないムキムキの女がポージングをキメているし事務員っぽいジジイはおれなど眼中にない様子で事務所内を早歩きしているしつまるところ全員に無視されてしまったのでイライラしながら黙ってシャッターのところに戻り力ずくでメリメリとシャッターを開けて帰ることにしたしシャッターは曲がったままだけどお前らが悪いからなとこころの中で思いながら外を見ると霧雨の暴風雨だしそんな天気予報じゃなかったのにと絶望しつつじぶんの自転車を見ると駐車場に豪快に倒れてるしカゴに入れてあった袋もビショビショになっていて絶望的な気分になったが霧雨だったからか中身の雑誌は無事でありそれは安心したんだけどどうやって帰ろうかと思案していたらじぶんが撥水パーカーを着ていたことに気付いたのでこのまま突撃するのが得策と分かりすぐさま路上に飛び出して雨が落ちてくる空を見上げると灰色の空に小さな小さな穴が開いててそこから青空が見えていたので来るときはあれほど晴れていたのになあと変わりやすい天気を恨んでいたところ橋の手前当たりで暗雲がメチャクチャなスピードで去り始め天気も急速に良くなったのでこれはなんだろうとても奇妙だと感じその暗雲を自転車で追跡することにしたのだが前ではなく空を見たままの危険運転で石畳の道に突入し起伏もどんどん激しくなり最初は道の脇に井戸端会議のおばさんたちもいたのだが最終的に誰も見えなくなって最後の盛り上がった路面がジャンプ台の役割を果たしたのか空中に放り出され自転車と一緒に縦回転して着地したところ得点が意外に低くてその採点基準が不明だったが機械音声でひとも歩く道だと意識して運転してねとか謎のアドバイスを受けたのでそんなの関係あるかと反抗しつつも意識だけ集中させてもう一度自転車を飛ばしたらまた同じところで空中に飛び出しクルクル回転して着地して今度は得点が高かったので本当に意識だけでここまで点数が変わるものだろうかと疑問に思う夢を見た。長い夢だったし、自転車に乗って空中でクルクルする妄想はときどきするので楽しかった。あとなんか双子が質素なメシ作ってる夢を見たはずだが詳しく覚えてない。
なんか高野山の僧侶が韓国人に対して不適切な俳句を詠んだというニュースが有った、今ここでその不適切さを繰り返さない、繰り返さないことでおれの社会性を証明するが、おれはそういうネタっぽい俳句のときに五七五になってないのを見るとダサいなと感じてしまう。今回のも六七五だった。そういうネタっぽい俳句とか、文章が偶然五七五になっていたのを切り出すのって、形式が目的になってるんだからその目的を逸脱するのはダサいと思うんだよね。自由じゃんと言われれば確かに自由なんだが、じゃあ俳句じゃなくてお気に入りのフレーズを紹介しますで良くないか? とも思う、まあそれを認めていくのが川柳だし、認めるといえば認めるんだが、つまりダサいと認識しないこともできるんだが、俳句ってやつに寄せて面白くしましたとか俳句みたいな面白い定型文を見つけましたっていうときにその形じゃないというのはフラットに見ても伝達能力に欠けるんだよね。とりあえずおれは高野(こうや)山の僧侶はこうや(高野)って謝罪するんだな~って感心しましたけどね。この面白さ、伝わりましたでしょうか?寒いことを考えていたからではないだろうけど、気温が高いという予報だったのに気温がもりもり下がっている、これは実感としてあったわけじゃなくて不意に見た天気予報のサイトで知った、こういう体感にはないが気温は実はめっちゃ低いみたいなときが一番体調を崩しやすいと知っている斧でおれは即座に暖房のスイッチを入れた! そして手元にはヒエヒエのコーヒー牛乳がまだ残っている。しかし昼からですら三度も下がってるじゃん、気温の乱高下をやめろ。
今日もメールチェックをしたらSUZURIで作ったシャツが一枚売れていた、サンキューとしか言いようがないな、こんなおれのデザインしたシャツを買ってくれるだなんて。つまりおれに分前をくれるだなんて。ところでおれはいつも夕方にパンを食わせてもらっているのだが、今日は久しぶりに台所で食パンを見たのでちょっとこころを打たれた。なんでそんなもんでこころを打たれんねんという話かもしれないが、おれは数年来、朝一度起きて食パンを食ってまた寝るという生活を繰り返していたため、もう食パンは故郷みたいなものになっている。なんで今食ってないのかというとそれは労働圧を食らって体調を崩し、寝る時間を重視するようになったからなので、もし大金持ちになったら気兼ねなく朝起きて食パンを食い、じぶんで焼きもしたいと考えている。そのような甘い考え(でも、本当においしい食パンって甘いですよね!)を抱きながらストリートビューを放浪してタンブラーにスクリーンショットを送っていたらタンブラーのカラーリングが変わっていることに気付いたけど、特にどうということもないな、いや、うーん、ちょっと目への刺激が強くなったのかもしれんが、本当に僅かにそう感じる程度なので特に気にすることもない。おれはなんにも気にしない。最近は何も気にせずフエ吹きも再開した。これもいつ頃からか中断していて、労働圧がどうたらという話とは全く関係なくただ元気がなかったり、あるいは歯の治療中だったということもあったんだろうが、とにかくフエを吹くと元気になることがわかったのでまた吹き始めている。
しかし東京に雪が降ったらトップニュースってのはいかにも大変ですね、埋まるほど降れや。この感想は毎回抱いているのだが毎回抱いても飽きないぐらい、堂々とトップニュースにしてきやがるんだよね。都民は雪に慣れてないというのが通説らしいが、いい加減慣れろやとしか思わない。雪降ってるときにハイヒール履いてくるようなバカはビキニで登山してろって書こうとしたんだけど最近あのひと死んじゃったから比較対象としては適切じゃないことになってしまった。その次のニュースで児童相談所に来たモンスターペアレントが云々という話で児童相談所の対応に非難が集まっていたのを目にしたんだが、異常者に絡まれるってのは可愛そうなことだしな~、とにかくどんな職場でもうるせーのが窓口などに来たとき無条件で警察に通報していいぐらいのことにしてもらいたい。対応に問題があったのかもしれんが一番悪いのはモンスター人間たちだろうし。ところであれだ、今雪のニュースがどうたら、東京は慣れろとか書きましたよね、でも超個人的なことを書けば、さっきも書いたようにおれは今シャツを売っている途中で、しかもそのサイトは今セール中であり、しかもおれの活動名は Yukiga Futte Uresii という、だから完全に宣伝がしやすくて嬉しい。むしろセール中に雪降るとか東京もやるじゃんと言いたいね。どんどん手のひら返していくぞ!! チョーシこいてたらウィンドウズがバックグラウンドででかい更新をし始めたようでパソコンが極めて遅くなってしまった。しょうがないので落ち着いて干し柿を食ったりしていた。今日で干し柿、人生で二度目ぐらいの干し柿はラストだけど、おいしくてよかった。ただ干し柿とケーキあるけどどっち食うかって言われたらケーキだな。決してそこまでではない素朴な味わいだと思う。