ぐ戒

誰かがおれの部屋に入ってきてパトカー来てるみたいと言ってきたし確かにプレハブの陰から赤色灯の光が漏れているけど肝心のパトカーはおれの部屋からではどんな角度から見ても確認できないしちょうど雪が強くなってきたからこの雪の様子を見に来たついでの態で見てこようかと提案するとそこまでしなくていいと言われたがおれ自身興味があったので外に出かけて何とか回り込もうとしたけどここらは集落で平屋が多いため雪が降ったらすぐ町全体が閉ざされてしまうしこれは車でも進めないのではと思っているとそこらにいた乞食みたいなボロボロの奴らが一度町を出たらなかなか戻ってくれないよと呟いていたし確かにバス停の前の雪もきれいなままでバスが着た形跡がないんだよなと納得する夢を見た。時期じゃないのに雪の夢を見るのは雪が好きだからという理由で納得がいくんだが、なんで家の周りが限界集落みたいになってるんだろう。あと、家族の車に乗ったんだけど運転役の家族がアクセル踏みまくってて超スピードを出しており違法とかいうよりまず単純に怖いと指摘したらそれで余計にキレてさらなるスピードを出してきたし死を覚悟したんだけどそのおかげでおれが行く予定だった病院に診察時間内に到着できたし地下病院の入り口であと二十秒でーすと看護婦が叫んでいたので車を飛び降りて急いで並んだらおれのところで最後尾になるほど長蛇の列となっておりおれこれいつ薬もらえるのって質問したら病院関係者のおばちゃんが絶対に用意しますからねと言ってきたしいやいつだよと改めて質問する夢を見た。そんな車から飛び降りるほど楽しみな病院とかねえだろ。おれは病院が大嫌いなんだぞ。起き抜けには、鹿児島の下にバラバラとある変な小島の中のひとつは変な名前だしそこで布地を二セットもらうだけの研修は楽でいいなと言われたのでその見立ては違うぞここでは裁縫を教えることが脱出条件だが島のみんなが裁縫うまくて教えられないから実績は確実にゼロだし無為な時間を過ごすばかりか脱出できるかどうかも怪しいんだそれでもいいのかと指摘する夢を見た。刑務所かよ。
今日は日曜日なので出かけない予定だが週の後半が雨の予報だらけというのが気になる。そうなると今日は出かけた方が良いのではないかということにあるがそんな欲求は一切ないので困った、困ったときは出かけない。トロッコ問題ってあるじゃないですか、あれって嫌いなんだよね、さあ考えてくれたまえみたいな雰囲気というか圧力があって、いやお前が仕切んなやと思ってしまうので。思考実験を出す側みたいなのムカつくんだよね。ところがこのトロッコ問題は考えやすい割に答えが出しにくいからか、事あるごとに話題になってそして誰かと誰かがケンカして最終的に有耶無耶になっていく。もはや実験ではなく単なる暴力のようにも思えるが、どこかの学校でそれを出したことで生徒が不安がって学校側が謝罪に追い込まれたらしい。それを聞いて納得したよ、トロッコ問題の正解は「保護者に謝罪」だったんだなって。これからは全部保護者に謝罪と回答しましょう。なんか変な質問してきたひとに対して「ごめんな、そんな質問させて……つらかったよね」って言うのと同じロジックだし飛び道具っぽくはあるんだが。というか生徒が不安がったぐらいでなんで学校が謝罪してるのかもよく分からん。そんなこと言ったら小学校の頃、戦争の悲惨な映像を見せられて、死ぬの怖いってなって明らかに不安になったものだが、ああいうのでいちいち学校が謝罪することになってしまう。いやしてくれるんだったらいいよ。してくれなかったのになんでトロッコ問題ではするんだよってところだよ、現代の悪いところは。
昨日気付いたんだがネット連載を一ヶ月分飛ばしてしまっている。それはよくあることなのだが、直前の話を見せない悪いシステムであるため流れがまったく分からなくなってしまった。ケチなのかなんなのか、直前の話を見せないことになにかメリットがあるんだろうか? こんなケチなネット連載は読み飛ばすようなスピードで読むぜ、となって、出かけない日曜日の午後、溜まったオンラインのまんがを読んだり流し読みしたりしていた。そういうのを見まくってるせいかどうかは分からんがオンラインゲームの広告や話題がビュンビュン飛んでくる。これは悪口じゃなくて善意で言ってるんだけど、「北斎に水着」とか「紫式部にチャイナ服」という字面見ても違和感なく受け取れるひとはカレーのことをタピオカミルクティーって呼んだ上でタピオカミルクティーを白米の上にかけるとすごくおいしいと言っても真意を汲み取ってくれそうですごいな。カレーは飲み物って言ってるひともペプシのことをカレーという名前で呼んだ上でカレーは飲み物って言ってる可能性あるからな。マジですごいよね。で夕方は掃除機をかけていたんだけど、おれがほぼ使わないリビングのカーペット、久しぶりに掃除機をかけたらまた異常な量のホコリが取れた。マジで何も掃除してないのかな。
夜さあ、NHK見てたら美空ひばりをAIで再現するという番組が流れてきたんだ。これは、死んだ人間を合成音声・合成映像で代替的に蘇らせて新曲を歌わせるという内容だったけど、これって死者の冒涜じゃないのか? 仮にも意志を持っていた人間を意志のまったくない状態にするってことでしょ。死んでも他人の意図で新曲を勝手に歌わされることに問題がなさそうな番組作りでこえーな、普段は倫理を云々するNHKがなんなんだ、と思ってたら一応、バーチャルに死者をよみがえらせることには批判もあります! という映像が流れたが、流れただけで何の結論も出さずすぐ本編に戻ってしまった。その上、美空ひばりが天国から喋ってるみたいな語りも入れるのか、なんだよこれは、どっかの宗教のボスが守護霊おろして喋ってるのと何が違うんだ。そしてその番組のラストに、「死者をAIで蘇らせていいかどうかは、人々が本当にそれを望んでいるかどうかによる」とナレーションが入ったけど、その論理ならクローン人間が作れてしまうよな。美空ひばりのクローンを本当に望んでいるひと、たくさんいますよね? それと根っこは一緒のはずなんだが、なぜ肯定的にこんな番組を作ってしまうのか。まあ今回の件でNHKが「倫理的に賛否両論あるけど、望んでいるひとがいるからいいじゃん! これが想いの力だ」みたいなスタンスを取っていることがよく分かったし、二度と倫理を語るな。