ぐ戒

家族が元のバイト先に勝手に履歴書を送っていたので差し止めて清書して出し直したんだけどいやこれじゃめちゃくちゃ働きたい奴みたいじゃん屈辱だしかも明日土曜日だしやるならまだ土曜日の方がマシなのに土曜日の午後に履歴書届いて即採用とかありえないから来週までやきもきするの確定だし嫌過ぎると悶えていたらさらにトイレ掃除の嫌さ加減を思い出したけどいや新しくしたんで大丈夫ですよなどと言われて新しかろうが嫌なものは嫌だと返事する夢を見た。この労働に対して引き気味にポジティブなのはどういう気持ちなんだろう。おれは絶対に嫌なはずなんだけど、こころの底ではアルシュの定年が働いているのかもしれない。起き抜けには、膝を怪我したのでせめてシャツで隠れる場所にしてくれと思う夢を見た。別に普通のジーンズで隠れるやろがと思うけど、覚えてない。
覚醒剤を使って逮捕された公務員の裁判を傍聴したひとの記事があったので、労働は邪悪だろうと思いながら見たんだけど、内容を見たら「仕事優先という考えは共感できますが」と書いてあったので顎外れるかと思った、共感するな、仕事より人生を優先しろ。クスリを使ってでもと思わせる点で労働の依存力は覚醒剤に勝ると言わざるを得ないが、それを傍聴する人間が労働側に立っていると論点がおかしくなるので良くないな。クスリといえば大麻栽培容疑で誰かが逮捕されていて、それ自体はよくあるニュースなんだけど、記事を見たら人間の背丈ほどもある大麻が根っこから抜かれて押収されている写真が掲載されていた。なんつーか、そんなにでかくなるんだな。おれは常々、大麻なんか他人の家の軒先にあっても「あっ! 大麻だ!!」と気付かないだろうなと考えているんだけど、正直このサイズのものが生えてたら間違いなく気付かないでしょ、しかも川沿いに。こないだ、大麻特有の甘い匂いがしたっていう記事を見たときにも感じたけど、なんなんだよその大麻に対する異様な知識は。一般人は気付かないだろ。
今日のお出かけでは街の方面に向かい、ガレージとマンションを入念に掘ったんだけど、特に欲しいものはなかったので空手のまま帰ってきた。別に本の置き場所がない、常にないのだから何も買わずに変えることが悪いことというわけでもないのだが。とにかくなにかクサクサした気持ちになったということもあり、しかも時間を使い過ぎたせいで家で他のことをやる時間も失ってしまったので、家に着き次第コーヒーを作ることとなった。最近、使うコーヒー豆の分量を計算しながら作り続けていたけど、ついに最適解ができた気がしたので、自室に戻って急いでメモを取った、グラム数まで指定できればあとはお湯の温度とかだな、さすがにそんなものまで計ろうとは思わないが。夜は、窓を開けたら涼しいが窓を開けているが故に音楽を聞けないという状況が生み出されていた。今もそうだ。この時期は毎回こういう状況に陥るな。それで音楽も聞けなかったので粛々とネットサーフィンをしていた。で何年かぶりにAmazonで攻撃的長文レビューしてたひとの名前を見たので、最近どうしてるんだろうと思ったら去年の夏頃にAmazonから全レビューを削除されていたので笑ってしまった、そんなことあるんだな。やはり人間は攻撃的過ぎると取り返しのつかない反撃を食らってしまうようだ、気をつけたいところですね。
セフレこと世界ふれあい街歩きはマレーシアのペナン。大通りからスタートで、ここにはバイクが多い、なんか植民地系の建築様式だ。ちょっと奥に入ると、スズ鉱山用の駅がモニュメント化しており、その説明をする老夫婦がいたが、英語っぽいな。マレーシアって英語だったか。かつても今もビジネス街だから西洋風の建物が多いとのこと。そのあとは名物ナシルマの屋台を見る、この料理は行列を作るほどの人気で、米を用いたものらしい。バナナの葉でくるむというのは最近も東南アジア系のセフレで見た気がする。次のシーンではいきなり建物がボロボロで低くなった。この下町に中国風のお寺があり、長いタイプの線香をあげるといういかにもっぽい形式ではあったが、突然、今日結婚式なので線香をあげに来たんだと主張するカップルが出てきたので、偶然はすごいなあと感心した。次はヒンズー教の祠。その前で火のついたヤシの実をうやうやしく回したあと、ゴミ箱に異常な勢いで叩き付けた様子が映されたのでビクッとしたけどどうやらこれは伝統らしい。ヤシの実は中が白いため、叩き付けて割ると清浄な白を見ることができ、それでこころも清らかになるとのこと。うーん、言っていることは分かるが……。そのそばには宗教向けに繁盛する花屋がある、日本でいうと葬儀場の近くにある花屋は潰れない、みたいなもんか。ここの花屋は中国人が飼っていた豚に顔を舐められたエピソードを披露していたが、それが一体どういう主張につながるのか、謎過ぎて引いた。マレーシアはイギリス人が支配しとった、という歴史コーナーを挟んだあと、東インド会社? の話に。超?? 優良?? 企業、ですよね……。歴史の教科書で見たことのある……。で街歩きに戻るとアザーンが聞こえてくる。特に寺院の中には入らないようだ。ここで、おそらくストリートビューの車でも入らないような細い路地に入ったので興奮した。道幅の狭いボロボロの商店街には、うちは普通の鍵しか作らないと言っている鍵屋がいる、職人魂がなくて良い。でも評判は良く、ナレーションもまるで匠であるかのような表現をしていた。ただその店で喋られている言語が分からん。英語だと思ったけど発音が変なのか店主だけ中国語なのか。さらにそことは違う、薄暗くて道路が桟橋の商店街に移動した、桟橋の上っぽいのにバイクが走っていて豪快。ここでは昔、船員相手に仕事をしていたが、今は船が少なくなったので土産物屋をしているらしい。つまり相手が観光客に変わったのだ。しかし桟橋の上に周一族の寺まであってすごいな、沈まないのだろうか。おもくそ真っ赤でおもくそ中国風で良かった。寄り道コーナーはバリク・プラウ、夜明け前のドリアン農地へ。落ちてるドリアンを拾ってるだけのように見えるが、犬は何のためについてきてるんだ? で実食コーナーみたいなところには香港から来た客が、ドリアンの一番うまいところを手づかみで食っていた。あんな暴力的に食うんか……。街歩きに戻ると中国語の看板が多く、その一角にある菓子屋でガキ共にクエという菓子の作り方を教えるとのころで、侵入。赤い亀の甲羅を作っているんだがさすがに脳にしか見えなくて笑った。焼き上がりはだいぶマシな色になったが。そのあと、一階と二階で風味が違う家が出てきたけど、これ三か月ぐらい前のセフレでも見たぞ。ちゃんとすり合わせておけよ。で別のちょっと奥まった会館のような場所では、中国系のおばさんたちがでかい扇子を持って疲れたダンスを披露してきた。怖いよ……。去り際に音楽をかけさせるいつものやり口で会館を出ていくスタッフであった。グルメコーナーは麺と麺。街歩きに戻って、夕涼みの海岸沿いへ向かうと、ここにも別の新婚夫婦がいる。それよりはスカーフ巻いたイスラム教徒がスナック菓子をもりもり食うとる様子が面白かったな。ハラールなんだろうけど、そんな食いますかっていう。スタッフロール用に夜の街がチラ見せされて終わり。ペナン、まあまあでしたね。異常者がもう少しいても良かった。