ぐ戒

ゲームで床が抜けて敵が多い地下に落ちたけどその御蔭でこういうショートカットの方法があったと気付いたしもう味方を助けたので行く必要がないという夢を見た。これは西洋の城みたいなところにいて、キャラと穴以外のほとんどの視界が灰色だったことを覚えている。起き抜けには年少者から説教を受ける夢を見た。
今日は起きてから中程度の労働圧を受けたので結構覚えてたはずの夢をやや忘れてしまった。中程度の労働圧というのは労働をしろという圧力なのだがそれに加えて川柳なんか書いててもカネにならんだろという圧であり、まあ言われてみりゃそうだが金にならんことしか得意じゃないのでしょうがないんだよな、中程度なのでそのときのダメージは深くなかったのだが、悶々と考えるうちに結局深くなってしまった。なぜカネになることをしないんだ、労働しろ、と言われれば言い返す言葉が特にないのが困りものだな、おれの考えからいえばおれがやっていることに運悪く収入がついてこないだけの話なのだが、そんなことはカネがすべての価値観であるひとや社会に言っても通じないし、どうやって生きていくんだと責められるとまことに悲しい、生存権が保障されている世の中でその質問が意味をなすこと自体の意味が良く分からないのだった。例えば、今の世の中は強い資本主義なのであり、芸術の義務はないが労働の義務はある、だから芸術が好きな人間より労働が好きな人間の方が強いんだが、これが逆になったら今労働している人間のうちどれだけが発狂するんだろうとは思うわけ。荒唐無稽な妄想だと思われるかもしれないが、こればっかりはそうでもなくて、今は単純労働が次々とAIに奪われていってるでしょ。労働がなくなるとは考えられないが単純労働は激減するだろう。そうなると、どうなるかというと、人間はクリエイティブな労働の方に追われることになる、クリエイティブというのは創造性つまり芸術性のことであり、人間は事実上芸術の義務を負うことになる、労働の義務も外れないのにだ。こうなるとおれたちの上からボトボトと芸術不能の人間が落ちてくることになる、そうなると大変だから、早く労働を義務から外さないといけないとおれは考えているわけ。
このようなことを考えていたら脳が疲れてきたので、脳の動画を延々と見ていた。こういうとき、こういう不安と悩みは脳の化学物質のバランスが崩れているから発生しているのであり、あくまで物理的な現象だと自覚することでかなりダメージが減るので、ガンガン見ていくってわけ。それに結構時間を費してから、部屋を掃除。本当は出かけることが一番の気分転換になるのだが、今日は天気が悪いためそれもできない。仕方がないので掃除が終わったあとは、ずっとフリーのメタル音楽をダウンロードしていた。
セフレこと世界ふれあい街歩きはスペインのトレド。前も来ているのにまた来た。いくらなんでもほかに行く場所があるだろう。街を見下ろす位置から「あの橋からスタート」という珍しい始まり方、石造りの橋からそのまま石造りの旧市街へ向かう。バスの運転手と話すすとこの街は坂が多いとのこと。石造りの街並みやアーケードはさすがに掃除されていてきれいで、そこを進むとソコドベール広場があるが観光客でいっぱい、昔は家畜市場だったらしいと女を物色しているスケベジジイが教えてくれる。近代的な店にはツバメやハトが落ちてくるらしく、今日はツバメの雛を撫でていた。三十九度ぐらいになると言う薬局のひとのアドバイス通り日陰の多い道を歩くと、半裸でコーヒーを飲む男がバルコニーにいる、普通の光景なのだろうか? 向こうのバルコニーにはおばさんもいるから日常なのだろう。また、道は狭くてきれいなのだが、その狭い道を車がガンガン通っていくので、さすがに交通規制しろやとは思った。これらの道はイスラム教徒が狭くしたらしく、敵の侵入を防ぐためというよくあるパターンのやつ。門のデザインもイスラムの影響らしい。ここから、スペインカトリックの総本山がある広場から細い路地を抜けてネオンの多い服屋に入ると、床がガラス張り。何故かと話を聞けば、改修中に地面の下から二千年前の遺跡が見つかったのでそれがよく見えるようにしているとのこと。これは感心なことだと思った。ただ店主の一存で決められることなのかどうかは不明だったが。さらに先に進むと袋小路のような場所に出た、そこおの鉄の檻で覆うようなバルコニーってイスラムっぽいんだけど説明はない。実は袋小路ではなく扉を開けると中庭があり、若干のパティオ感がある清潔な空間だった。そこが通り抜けできるのかは不明であり、昔は大司教の住居だったとのこと。中庭を出て、道をぐるりと回って再びさっきの薬局の前に出ると、同じひとが昼間から店を閉めている。シエスタなのでみんな店を閉めてるんだ。タイミングを合わせてここでグルメコーナーだが、カボチャ、トマト、ヤマウズラという展開でここに面白みはなかった。戻った時間が午後五時って、スタッフもしっかりシエスタ取ってんじゃん。なんか川沿いにアヒルがいたので触れるのかと思ったら無視だ。とにかく釣りをしているひとがおり、他愛のない話をする。つーか完全に街ではない街の外側を歩いているが……。道なき道を行くと生身のままワイヤーで飛んでいくアトラクションがあるけど、これをなぜ街歩き本編で……。更に外壁の近くの畑へ、街歩きは……? ここには水を振り撒く生粋のトレド人がいる。別に生まれたときから住んでなくても生粋扱いしてくれるらしい、割とジャッジが雑だ。寄り道コーナーはマドリードの海軍博物館、なぜ首都へ?! スペインの侵略・略奪ストーリーで盛り上がりはしたものの、首都だからなあ。コロンブスの子孫が言う「十四歳のときに初めて知った船を動かす喜び」っていやらしい意味でしょうか? 戻ったら考古学者が城壁の修復をしている。で、修復技術はすごいんですねえという話をしてから裏道を歩く。道から住居を覗き見て、女児のしてるクラリネットの練習を邪魔してまで壁の手形の話を聞く。三百年前はガキがレンガを作っていて手形を残したという歴史があるのでそれを真似したらしいと、ガキではなくその親が教えてくれる。それで夕方の大聖堂前に戻って、終わり。うーん、普通……。